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2013 Fiscal Year Research-status Report

放任か制限か? ―親の養育態度と子どもの事故の関係―

Research Project

Project/Area Number 24651189
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

臼井 伸之介  大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00193871)

Keywords社会系心理学 / 子どもの事故防止 / ヒューマンエラー
Research Abstract

本研究の目的は、親の養育態度および安全意識と実際の事故発生の関係について、インタビュー調査と質問紙調査から実証的に明らかにすることである。調査では、発達の初期段階であり、親の依存度が高い1~4歳児を対象に、養育態度と安全対策等の安全に係る意識・行動が子どもの事故やトラブル発生といかなる関係にあるのかを明らかにする。前年度研究において実施したインタビュー調査に基づいて、研究の2年目では、以下の項目について実施した。
質問紙項目作成:親の養育態度には制限-放任等いくつかのタイプがあると考えられ、例えば放任タイプに子どもの事故は多いと予想される。しかし、その養育態度や日頃の安全対策は子どもの発達の度合い、行動特性、事故経験、きょうだいの存在や家庭環境などにも影響を受けると考えられる。そこで、子どもの性、年齢、きょうだい構成等の属性の他、子どもの性格特性、養育や安全についての基本的態度、日頃の種々の安全対策の実施状況、種々の事故やヒヤリハットの経験回数などを問う質問紙を作成した。
質問紙予備調査の実施:平成24年度インタビューを実施した支援サークルに依頼して、就学前の児童を持つ保護者20名を対象に予備調査を行った。質問紙の最後に回答のしやすさについての自由記述欄を設け、質問紙内容について見直し、最終的な質問紙を作成した。
質問紙本調査の実施:大阪府のA幼稚園、三重県のB幼稚園の協力を得て、園児の保護者674名を対象に質問紙を配布した。そして2週間後に423の質問紙を回収した(回収率62.8%)。現在、データはコンピュータに入力され、単純集計および統計的解析を実施中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

質問紙の作成:平成25年度では、前年度インタビュー調査、および前年度インタビュー調査を実施した支援サークルを対象とした予備調査の結果に基づき、本調査に使用する質問紙を作成することが出来た。作成した質問紙は、子どものパーソナリティに関する質問である“子どもの特性”13項目、子どもの育児に関して、放任か制限するかなどの“安全に係る育児態度”3項目、放任-制限という安全に係る育児態度の背景にあると考えられる“一般的育児態度”6項目、日常生活において実施している子どもの安全確保のための具体的な“安全対策”16項目、具体的な事故・ヒヤリハット体験についての“過去1年間の事故・ヒヤリハット経験”15項目、“親子の属性”6項目の全59項目で構成されていた。
質問紙調査の実施:大阪府のA幼稚園(在園児数474名)、三重県のB幼稚園(在園児数200名)の協力を得て、園児の保護者674名を対象に質問紙を配布した。2週間後に423の質問紙を回収した(回収率62.8%)。データは入力され、現在単純集計および統計的解析を実施中である。
以上から平成25年度研究はおおむね順調に進展していると評価される。

Strategy for Future Research Activity

前年度実施した質問紙調査結果の分析を引き続き実施する。養育態度については、①怪我をすること、②行動を制限することの2つの視点での許容-拒絶の軸が考えられるが、これらの組み合わせから親の養育態度をいくつかにタイプ分けする。分析の従属変数としては、事故の種類別回数だけでなく、クラスター分析等から事故をカテゴリー化する。そしてそれら事故回数を従属変数とする分散分析や重回帰分析等から、事故に関与する要因を明らかにする。また安全対策についても、独立変数とするだけでなく、従属変数としても分析し、安全対策の構築に寄与する要因について検討する。以上を総合的にまとめ、親の養育態度と事故発生の関係を明らかにするとともに、事故防止対策について子どもの年齢や行動特性等と関連づけて具体的に提言し、それらを報告書にまとめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度調査実施のため、分担研究者を1名追加する予定であり、そのための経費を要するため。
追加した分担研究者に必要な経費とする

  • Research Products

    (4 results)

All 2013

All Presentation (2 results) Book (2 results)

  • [Presentation] 脆弱性認知は常にリスク回避を予測するか?-道路横断行動を題材とした検討-2013

    • Author(s)
      紀ノ定保礼・臼井伸之介
    • Organizer
      日本心理学会第76回大会
    • Place of Presentation
      北海道医療大学
    • Year and Date
      20130919-20130921
  • [Presentation] The Influence of Perceived Vulnerability on the Estimation of Time-to-contact with an Approaching Vehicle2013

    • Author(s)
      Yasunori KINOSADA & Shinnosuke USUI
    • Organizer
      日本認知心理学会第11回大会
    • Place of Presentation
      筑波大学
    • Year and Date
      20130629-20130630
  • [Book] リスク認知と安全行動,「産業安全保健ハンドブック」2013

    • Author(s)
      臼井伸之介
    • Total Pages
      1315
    • Publisher
      労働科学研究所
  • [Book] ヒューマンエラー,注意と安全,「認知心理学ハンドブック」2013

    • Author(s)
      臼井伸之介
    • Total Pages
      425
    • Publisher
      有斐閣

URL: 

Published: 2015-05-28  

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