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2013 Fiscal Year Research-status Report

海象情報統合システムと統計フィルタによる低気圧波浪の新予報技術の開発

Research Project

Project/Area Number 24651194
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

笹 健児  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (10360330)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 塩谷 茂明  神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (00105363)
若林 伸和  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (60242351)
大澤 輝夫  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (80324284)
寺田 大介  独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (80435453)
小林 英一  神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (90346289)
Keywords低気圧 / 波浪予報 / 海上風 / メソ気象モデル / 船舶運航 / 予報の的中度
Research Abstract

太平洋に面した海域において、秋季~春季に発生・卓越する低気圧の影響で大型フェリー等の運航中に大きな船体動揺、貨物損傷などの障害が発生している状況にて、初年度に低気圧性波浪の予測困難となる背景や状況が明らかとなった。昨年度は現状の数値予報にて予報が的中しない状況と要因の把握を目的に、2009年4月25日および2010年12月22日に関東地方~北海道の太平洋沿岸における風および波浪の追算・予報再現をメソ気象モデルとして世界的に実績のあるWRFおよびSWANを用い、計算領域(WRFは4000キロ×4000キロを目安とした三層のネスティング、SWANは500キロ四方を目安とした)、計算格子の解像度、タイムステップなどをパラメトリックに変化させて計算・比較を行った。この結果、①WRFによる再現追算にて、低気圧の移動範囲と影響を十分に再現するには東北地方の太平洋沿岸から東側に十分な領域を取る必要がある、②解像度は最も外側の領域で45kmとして実施したが、風の再現精度に問題があり、20kmまで解像度を向上させた状況で再計算した結果、実測値に近づいた。これより外側領域でも20km未満の解像度とする必要がある。③この状態で内側領域を含めた解像度を様々に変化させた比較より、解像度に関わらず風向はほとんど変わらないのに対し、風速は解像度の大小に伴って2倍近く変化することが確認された。④SWANにおいて、解像度を500mとして計算したところ、風の計算結果に対応した良好な再現状況となったが、一部で実測値を過小評価または過大評価する結果となり、また計算能力の面からも計算領域の設定に課題を残している。⑤全球モデルでないメソ気象モデルで検討したが、解像度の設定により風の地形影響による再現性に違いが確認され、初年度に得られた調査結果と類似した傾向が数値計算によってもある程度確認できた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度にて実務者が感じる問題点と予報困難な状況が確認され、これをもとに世界的に実績のある大気および波浪の数値モデルにより調査結果をある程度裏付ける結果が得られつつある。ここで計算領域の設定と解像度の大小、さらに入力データが重要であることが明らかとなった。さらに今年はじめからマスターデータベースによる船舶からの気象および航海・機関データの連続的な観測システムの構築と計測も順調に進んでおり、これらのデータによる検証と全球モデルによる再現性の比較による最終的な研究成果につながると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

昨年度に船舶からの海上気象の計測システムとして、マスターデータベースを船内に設置・計測開始することに成功し、荒天時の風、気圧データの蓄積、分析を進める。さらにメソ気象モデルにおいて、入力データをNCEPの再解析データとしている点について、完全な予報データを入力値とした24~48時間先の予報再現と精度の検証、全球モデルによる同様の計算によりその再現性を総合的に比較し、低気圧時の波浪予報を困難としている背景を明らかとする。これより、低気圧時の航海判断をより安全にできる評価関数の構築を目指す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

2年目は実船実験によるデータ計測と波浪モデルによる計算を主体に検討したが、前者については造船工業会にて実施中のマスターデータベースに連携することとなり、3年目である来年度にデータ計測および装置撤収などに必要な予算を計上する必要が生じた。
2年目における研究成果の報告として海外発表を行う、さらに実船でのデータ計測をふまえ、データ処理に必要な消耗品、ソフトウェア、装置の輸送費を主体とした内容について次年度使用額を使用する

  • Research Products

    (4 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] データ分析から見た船舶運航における波浪予報の現状と課題について2013

    • Author(s)
      笹 健児、塩谷茂明、寺田大介、若林伸和、大澤輝夫
    • Journal Title

      土木学会論文集B3(海洋開発)特集号

      Volume: 69 Pages: I_61, I_66

    • DOI

      10.2208/jscejoe.69.I_61

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Current Situation and Difficulty of Wave Forecast from Viewpoint of Ship Management2013

    • Author(s)
      (40) Sasa, K., Terada, D., Shiotani, S., Wakabayahi, N., and Ohsawa, T.
    • Journal Title

      Proceedings of the 32nd International Conference on Ocean, Offshore and Arctic Engineering, OMAE2013

      Volume: 1 Pages: 1,8

    • DOI

      10.1115/OMAE2013-10257

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 沿岸海域におけるWRF水平風速勾配の計算精度2013

    • Author(s)
      大澤輝夫
    • Organizer
      第35回風力エネルギー利用シンポジウム予稿集
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      20131112-20131113
  • [Presentation] ウェザールーティングの利用状況および太平洋沿岸を航行する大型フェリーの波浪予報から見た安全運航のあり方2013

    • Author(s)
      笹 健児
    • Organizer
      日本船舶海洋工学会実海域性能研究会
    • Place of Presentation
      東京都三鷹市
    • Year and Date
      20130115-20130115

URL: 

Published: 2015-05-28  

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