2014 Fiscal Year Annual Research Report
UAVによる大規模津波・洪水被災地の生存者探索技術の開発
Project/Area Number |
24651195
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
越村 俊一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (50360847)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リモートセンシング / 自然災害 / 地理情報システム / 減災 |
Outline of Annual Research Achievements |
大規模な津波や洪水といった災害の被災地では,被災者が避難先の高台や建物などに取り残され孤立する事態が数多く発生しており,彼らの早期発見は人命救助の観点から極めて重要である.現在は有人のヘリコプターを用いた捜索が殆ど唯一の手段として行われているが,ここには多くの課題が存在している.例えば2011年の東日本大震災において被災地に投入されたヘリは約190機に上るが,緊急時に備え待機する機体も必要であったことなどから,実際に捜索に従事できたのはそのうちの半数に満たなかったと報告されている.この課題を解決するための新たなツールとして,遠隔操作により飛行するUAV(Unmanned Aerial Vehicle)の活用が期待されている.そして,このUAVを用いた被災者捜索をより迅速かつ確実なものにするために,上空から撮影した画像や動画から人を機械的に検出するための手法が必要である. 本研究では,UAVにより得られる光学画像を用いて,被災者を精度良く発見する手法の構築を目的とした.具体的な取り組みとしては,撮影条件を細かく設定した上でUAVを用いて取得された画像を,解析対象画像として準備した.そして,それらの画像に対してまず既存の人検出手法を適用し,その精度を評価すると共に,解析の一部を撮影条件に合わせて調整することで精度の向上を図った.次に,既存手法において生じた誤検出を除き更に精度を向上させるために,画像中に存在する線分,人の影,そして人の上半身に着目し,それらを抽出する解析手法,および既存手法の検出結果と組み合わせるための手順を構築した.最後に,最終的に得られた検出結果を画像の撮影条件との関係から整理し,人検出に適した撮影方法や画像の諸元について論じた.
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