2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24651198
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鍵山 恒臣 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50126025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潮見 幸江 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (60584266)
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Keywords | 火山 / 重力勾配 / 自然災害 / 火山噴火 / 測地 / 地下水 |
Research Abstract |
火山噴火の前にマグマ本体やマグマから発散される火山ガスが地表近くに移動してくるはずである.また,近年本研究者らが問題にしている噴火未遂現象においても火山ガスの散逸が重要な役割を果たしていると思われる.この物質の移動は,主として地殻変動観測によって捉えられているが,地殻変動をもたらしている原因がマグマであるか,熱水であるか,火山ガスであるかを判別するには,重力観測が有望と期待されている.従来,重力観測は絶対重力計などによる観測が行われてきたが,ここに重力勾配観測を行うことにより重力変化をもたらしている密度変化の深さに関する大きな制約条件が与えられる可能性がある.重力勾配計は,東京大学宇宙線研究所の黒田教授が開発し,実験室レベルでは勾配の計測に成功している.この重力勾配計が実際のフィールドにおいてどの程度適用可能であるか,どのような改良が必要かを検討するのが本研究の目的である. 平成25年度は,勾配計をフィールドで使用するためにクリアしておくべき要件をどの程度満足しているか検討をおこなった.その結果,勾配測定を行う落下体が帯電することによる誤差の増大,落下体の重心がずれることによる誤差の増大などが明らかとなった.これらの問題は落下体の改良により解決している. 一方,阿蘇火山における地下水の移動がどの程度起きているか,重力勾配としてどの程度の変化が期待されるかを検討するため,当施設研究員のソフヤン・ヤヤン博士と共同で阿蘇火山周辺の繰り返し重力測定を実施し,解析を行った.その結果,集中豪雨による中岳湯溜りの水位上昇と周辺への地下水の流出に対応すると思われる変化が検出された.また,過去に測定されていた重力データを早河博士と共同で再解析し,地下水変動による重力変化が季節的に発生していることが明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重力勾配観測を火山地域で実施するための課題について,本研究者のうち鍵山は比較的楽観的であったが,実際の設置・調整を共同で行った結果,現場観測に適用するために実験室段階で解決しておくべき課題を多く持つことが明らかとなってきた.これらの問題点を個々に抽出し,個別に対処してきた段階であるが,従来の勾配計よりもノイズレベルを100分の1にまで軽減することができるようになっている. 一方,地下水の変動に伴う重力の変化を検出する作業については,重力変化が過去においても季節的に起きていたことが明らかとなり,地下水の変動と重力変化との関係を精度よく議論することが可能になりつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
地下水の変動に伴う重力変化について,おおよその傾向はつかめるようになってきたが,その移動を定量的に解析するにはまだデータの蓄積が十分ではない.そのため,繰り返し重力測定を今後も継続するとともに,過去の重力観測データについても再解析継続し,季節的な気象変化によって生じる地下水変動の量を明らかにして,地下水変動と重力変化との関係を明らかにできる知見を確立していく.この重力変化と重力勾配観測の結果の関係について今後検討していく必要がある.また、重力勾配計を山頂など他の地点に移動して測定を行う手順についても検討する必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
重力勾配計を阿蘇火山に設置した後、桜島に移設して測定を行う予定であったが、機器の故障が発生し、その修復に時間を要してしまった。 桜島において測定を継続するための旅費、3回として40万円、消耗部品の購入に45万円、阿蘇火山に機器を移設する経費40万円、研究成果を発表するための旅費12万円程度で、残額打ち切りとする。
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[Journal Article] Mass variation beneath Aso Volcano, southwest Japan2013
Author(s)
Sofyan, Y, Yoshikawa, S., Fukuda, Y., Kagiyama, T., Ohkura, T., Nishijima, J. and Fujimitsu, Y.
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Journal Title
Annual Rep. Inst. Geotherm. Sci. Kyoto Univ.
Volume: FY2012
Pages: 25-27
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