2013 Fiscal Year Research-status Report
台風はどこまで強くなれるのか?-想定される最大強度とその風水害
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24651207
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹見 哲也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10314361)
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Keywords | 台風 / 気象災害 / 気象予報モデル / 風水害 / 物理ダウンスケール / 最大可能強度 / 災害影響評価 |
Research Abstract |
「台風はどこまで強くなり、想定される風水害はどの程度の規模なのか?」この問いに対して、最大到達可能な強度の台風を気象モデルによる物理ダウンスケール・シミュレーションにより再現し、最大到達可能強度の台風により想定される風水害を評価することを目的として研究を進めた。台風の最大可能強度の数値シミュレーション、台風の移動の数値シミュレーション、台風経路を多数のパターンに変化させたシミュレーションを平成24年度に引き続いて行った。東京を中心とした関東地方、名古屋を中心とした中部地方、大阪を中心とした近畿地方のそれぞれの地域において過去に顕著な災害をもたらした台風を例にとり、台風移動に伴う降水量・風速の空間分布と時間変化を1 kmメッシュで算出し、風水害に係わる気象統計情報を導出した。また、今年度秋に気象庁から公開された1958年以降の長期再解析値を利用し、伊勢湾台風の数値シミュレーションを行い、中部地方、近畿地方それぞれにおける風水害情報を求めた。得られた成果は、国内外の学会等で発表した。さらに、今年度11月にフィリピンで甚大な災害をもたらした台風30号による風水害影響評価も本研究課題の目的に合致するため、台風30号の再現シミュレーションを実施した。このシミュレーション結果は、海岸工学の研究者に提供し、共同で高潮影響評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、「台風はどこまで強くなり、想定される風水害はどの程度の規模なのか?」という問いに対して、気象モデルによる物理ダウンスケール・シミュレーションを行うことにより最大到達可能強度の台風により想定される風水害を評価することである。このために、台風の中心位置をずらして台風経路を多数のパターンに変化させたシミュレーションを実施し、最大想定強度の風水害を地域毎に評価することを目標とした。平成25年度においては、日本の主要大都市圏、すなわち、東京を中心とした関東地方、名古屋を中心とした中部地方、大阪を中心とした近畿地方のそれぞれの地域において過去に顕著な災害をもたらした台風を例にとり、台風移動に伴う降水量・風速の空間分布と時間変化を1 kmメッシュで算出し、風水害に係わる気象統計情報を解析した。さらに、1958年以降の長期再解析値を利用して伊勢湾台風、今年度11月にフィリピンを襲った台風30号についてもシミュレーションを行い、風水害情報を導出したこと。以上のことから、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 平成25年11月にフィリピンに甚大な災害をもたらした2013年台風30号のシミュレーション結果を解析し、当該台風による風水害影響の評価を行い、学会等で成果発表を行う。 (次年度使用額が生じた理由と使用計画) 平成25年11月にフィリピンで甚大な災害をもたらした台風30号も本研究課題のテーマに合致するため、当該台風のシミュレーションも行うこととした。当初計画に追加して、台風30号のシミュレーションをして解析を行うこととしたため、次年度使用額が生じた。 このため、未使用額は、台風30号のシミュレーション結果の解析およびその風水害影響を行い、得られた成果を学会で発表するための経費として使用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年11月にフィリピンで甚大な災害をもたらした台風30号も本研究課題のテーマに合致するため、当該台風のシミュレーションも行うこととした。当初計画に追加して、台風30号のシミュレーションをして解析を行うこととしたため、次年度使用額が生じた。 未使用額は、台風30号のシミュレーション結果の解析およびその風水害影響を行い、得られた成果を学会で発表するための経費として使用する。
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Research Products
(10 results)