2013 Fiscal Year Annual Research Report
無胃魚と有胃魚の比較ゲノム解析から解き明かす新規胃酸分泌機序
Project/Area Number |
24651211
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 明 東京工業大学, 生命理工学研究科, 助教 (40311336)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹井 祥郎 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (10129249)
|
Keywords | 比較ゲノム / 無胃魚 / 胃 / 胃酸 / 壁細胞 |
Research Abstract |
公開されている7種の魚類ゲノムは無胃魚(トラフグ,ミドリフグ,ゼブラフィッシュ,メダカ)と有胃魚(トゲウオ,ティラピア,タラ)に分けることができる。4種の無胃魚はそれぞれ進化の過程で独立に胃を欠損したが,それぞれの種に起きた遺伝子欠損の共通性を解析することにより,無胃魚の形成を遺伝子・ゲノムレベルで理解することが出来る。そこで我々は,無胃魚と有胃魚の公開されているゲノム配列を比較し,無胃魚に共通に起きた遺伝子欠損を網羅的に同定した。網羅的なテキスト解析,Blast解析,シンテニー解析により,無胃魚(トラフグ,ミドリフグ,ゼブラフィッシュ,メダカ)で欠損する16遺伝子を特定した。16遺伝子には胃の実質的な機能を担う7遺伝子(atp4a, atp4b, kcne2, slc26a9, vsig1, cldn18, pgc)が含まれていた。胃の発生に関わる遺伝子に共通の欠損は見いだせなかった。これらの結果は,胃の発生を担う遺伝子群は胃以外の組織でも何らかの機能を担っていることを示唆する。一方,胃の機能との関連が予想しにくい9遺伝子が無胃魚で共通に欠損していた。同定した17遺伝子の有胃魚における組織分布を調べたところ,7遺伝子は胃で高発現していたが,他の9遺伝子(mtch1, pradc1, dcdc2c, c3orf55, ankub1, ano4, tssk1b, atp6v0d2, bank1)は脳や卵巣を含む様々な臓器で発現が観察された。
|