2013 Fiscal Year Annual Research Report
新規ポリA鎖長決定法を用いた翻訳と転写を結ぶ遺伝子発現制御プラットフォームの構築
Project/Area Number |
24651212
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
程 肇 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (00242115)
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Keywords | 概日リズム / 時計遺伝子 / 視交叉上核 / Period1 / poly(A) / 翻訳制御 |
Research Abstract |
真核生物の概日リズム形成に必須であるとされる転写リズムがなくても、多数のタンパク質で発現概日リズムが見出され、タンパク質の時刻依存的濃度変化を構築する転写後制御機構も、概日振動ネットワークが機能するために重要であることが明らかとなった。真核生物のmRNA の5’末端にあるCAP 構造、ならびに3’末端のpoly(A)は、転写された後にDNA 配列非依存的に付加され、翻訳反応の必須構造である。一般にmRNA のポリA鎖長は、同一遺伝子由来でも不均一な分布をもち、その長さを簡便にかつ厳密に決定できる方法は今のところない。そこで従来からある低効率かつ結果がばらつきがちなポリA鎖決定法のAnchored RT-PCR 法を改良して、PACHINCO (Poly(A) Capture by Hairpin Chimeric Oligonucleotide)-RT-PCR 法を構築した。前年度に本方法を全自動型DNA分析用マイクロチップ電気泳動装置(Shimadzu社)に適用するための条件の最適化を実施した。その結果、実際にLarkによる哺乳類時計遺伝子Per1 mRNA のポリA鎖伸長を、明快に確認することができた。さらにスループット性と、ポリA鎖長の分析精度を飛躍的に高めることを目的に、この方法を大規模シークエンサへ適用することを試みた。そして、シークエンサに対応させたゲノムワイドPACHINCO-RT-PCR 法プライマーの開発、及びその反応と解析の条件検討を実施した。その結果、ラット視交叉上核由来細胞において、多数のポリA 鎖長に概日リズムが見られるmRNAを集積することができた。本年度は視交叉上核細胞を用いたポリA鎖長に概日リズムが見られるmRNA の集積、及びその結果の使用を前提としたPACHINCO-RT-PCR法による解析データとの統合データベース構築を実施した。
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Research Products
(1 results)