2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24651216
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80273853)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / 初期化 / シロイヌナズナ / 相同組換え |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の成果: アグロバクテリウムによる遺伝子導入において、相同組換えはごく低頻度にしか起こらない。わずかな相同組換え個体を効率的に単離するために、ジフテリア毒素遺伝子(DT-A)によるネガティブセレクションベクターを昨年度までに構築済みである。DT-Aが期待通り機能するかを、シロイヌナズナ植物の形質転換により検証した。このベクターを、DT-Aの発現に必要なGVG転写因子を持たない野生型背景に導入したところ、期待通り多くの形質転換体が得られた。一方ステロイドホルモンDEX誘導的にGVGを発現する植物の背景では、非誘導時でもごく少数の形質転換体しか得られなかった。これは非誘導条件でわずかに発現しているGVGによりDT-Aが作られ、それが既に致死性を賦与することを示している。以上より、DT-Aによるネガティブセレクションが非常に効率的に働くことが示唆された。一方、昨年度までに作成されたシロイヌナズナの初期化細胞を、アグロバクテリウムで形質転換することを試みたが、抗生物質耐性の細胞が得られなかった。これはDT-Aを持たないベクターでも同様であり、初期化細胞が未知の理由によりアグロバクテリウムに耐性になっている可能性が考えられた。 研究期間全体の成果: 初期化細胞とネガティブセレクションベクターにより相同組換え細胞を得るための材料とデータを得ることが出来た。一方で、初期化細胞の形質転換系の樹立が難航した。これは初期化細胞の性質そのものに起因する問題と考えられ、今後は様々なアグロバクテリウム株や感染条件を検討する必要がある。
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