2013 Fiscal Year Annual Research Report
多数の1細胞から定量性のある網羅的遺伝子発現情報を取り出すための基盤技術の開発
Project/Area Number |
24651218
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
笹川 洋平 独立行政法人理化学研究所, 情報基盤センター, 上級センター研究員 (10404344)
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Keywords | バイオテクノロジー / 単細胞 / トランスクリプトーム |
Research Abstract |
発生過程や様々な生理条件では、集団細胞はゲノム情報が同じにも関わらず、1細胞間でRNAの発現量の不均一性が観察される。RNA量の不均一性の網羅的検出は、発生・分化や薬剤応答メカニズムの解明に有効であり、1細胞RNA-seq法の活用に注目が集まっている。本申請課題では、これまでに申請者が開発した1細胞Quartz-Seq法をベースに、定量性を更に向上させつつ、ハイスループット化した1細胞RNA-Seq法を確立することを目的としている。 1細胞RNA-seq法は大きく分けて、RNAを増幅可能な形に変換しcDNAを増幅するステップと増幅したcDNAをシーケンスライブラリDNAに変換するステップの2つにわかれる。本申請計画では、定量性及びスループットに関わる以下3点を検討項目としてあげた。1)cDNAの増幅を96穴PCRプレートを1単位として多数の1細胞を処理する方式の開発。2)cDNA増幅法の精緻化 3)cDNAからシーケンスライブラリDNAへの変換ステップの精緻化とハイスループット化。 昨年度は、2)1細胞レベルの逆転写効率をZip nucleic acidを活用し改善した。増幅産物をaRNAにするためPCR増幅とIVT増幅を組み合わせた増幅法の条件を決定した。3)aRNAから高効率にシーケンスライブラリDNAに変換する条件を決定した。今年度は、3)Tn5トランスポゼースを用いたシーケンスライブラリDNAに変換する条件を検討した。その結果、10-40 pg の増幅cDNAがシーケンスライブラリDNAへの変換に必要であることがわかった。これにより2)PCRによる増幅サイクルを6-8サイクル減少した。1)96穴用のPCRプレートの蓋と遠心機とミキサーを活用することで、シングルPCRチューブでの処理から、おおよそ100個の1細胞を1単位として大量に扱うことができるようになった。
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Research Products
(6 results)