2013 Fiscal Year Annual Research Report
疾患感受性領域の検出に特化した核内染色体空間配置決定法の開発
Project/Area Number |
24651221
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 舞衣 新潟大学, 脳研究所, 研究員 (50596153)
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Keywords | 核内高次構造 / クロマチン構造 / 発現制御 / ポストGWAS |
Research Abstract |
ゲノムワイド関連解析(GWAS)や量的形質座位(QTL)の解析では、表現型との相関がみられる一塩基多型(SNP)が検出できるが、これらのSNP はしばしば、遺伝子間やイントロンといった、タンパク一次構造に直接影響を与えない領域に位置し、生物学的意味の理解が困難であった。近年、染色体の一次構造上は離れている転写制御領域が、表現型に直接関与する遺伝子座と空間的に近接するとの仮説に立った機能解析が注目されている。そこで、本研究では、GWAS やQTL解析で検出されるSNP が空間的に近接する領域を効率よく決定し、GWAS で得られた知見をより有効に活用できる手法の開発を目指した。 平成25年度は、平成24年度に実施した神経系の株化細胞に対するexon array の結果、2 種類の細胞株間で発現量に大きな差がみられた10種類の遺伝子をモデルとし、ライブラリを濃縮できるか、濃縮が可能であった場合に細胞間で差が見られるかを検証した。2種類の細胞で発現量に差がみられた遺伝子座に対して設計したビオチン化RNA のベイトを用いてTCC ライブラリを選択的に“濃縮”し、次世代シーケンサーを用いて配列を決定した。得られた塩基配列は参照配列(hg19)上にマッピングし、ベイトとした染色体領域とのキメラDNA が高頻度に得られた染色体領域を細胞株間で比較した。その結果、ベイトによる“濃縮”を行うことで、発現量に差がある遺伝子座とのキメラDNA の収量が増加し、細胞株特異的な遺伝子発現に関連すると想定される近接構造の検出が可能となった。
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Research Products
(3 results)