2015 Fiscal Year Annual Research Report
Cadm1マーカーを利用したホモ接合生殖幹細胞の作製法の確立
Project/Area Number |
24651223
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
桃井 隆 東京医科大学, 医学部, 客員教授 (40143507)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生殖幹細胞 / 幹細胞バンク / Cadm1 / インテグリン |
Outline of Annual Research Achievements |
Spermatogonia(精祖細胞)を培地(GDNF, LIF, FGF, EGFを含む培地)で培養することが可能であり、多分化能をもつ生殖幹細胞を作製することが可能である。本研究では精祖細胞や卵母細胞をヒトから分離することは倫理的に問題があることから、半数体の精子細胞を分離し、ヘテロ生殖幹細胞を作製することを目的とした。申請者が発見したシナプス接着蛋白Cadm1(RA175/SynCAM1)が、精巣では精祖細胞と一次精母細胞や精子細胞に局在することから、Cadm1プロモーターに蛍光蛋白を発現させてTgマウスを作製した。しかし、半数体の精子細胞を分離するには十分でないことから、精子細胞のマーカ―を探索したところ、申請者が発見したRA70/Scap2がそのマーカーとして使えることが明らかにとなった。これらのマーカを用いて、精子細胞を分離し、電気パルスを用いて精子細胞を融合させ、精祖細胞培地にて培養し、GFPが弱いながら陽性の細胞を得ることができたが、培養可能な細胞株として分離することができなかった。また、RA70/Scap2欠損マウスを作製したところ、欠損マウスは致死であった。RA70/Scap2遺伝子はレチノイン酸に誘導され、RA70/Scap2はインテグリンの生存シグナルとして組織形成に関与していることから、精子細胞を分離している間に、生存シグナルが減少したために、生存が難しかったと考えられる。今後は精子細胞の生存シグナルを増強させるか細胞死を抑制させる条件を確立することが不可欠である。
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