2012 Fiscal Year Research-status Report
新型シーケンサによるゲノムワイド・インビボ・フットプリンティング
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24651226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90201326)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | in vivoフットプリンティング |
Research Abstract |
ゲノム機能発現の包括的理解には、生細胞におけるゲノムDNA とトランス作用因子の相互作用の全体像を把握する必要がある。そのために用いられる主な技術はクロマチン免疫沈降シーケンス法であるが、その成否は良質の抗体の有無に依存する上に、個別因子ごとの解析しかできない。これらの制約がない手法としては、単離核のDNaseI 処理に基づくデジタルゲノムフットプリント法があるが、核の単離を伴う点で厳密にはin vivo 解析とは言えず、技術的にも難易度が高い。 そこで本申請は、核を単離することなく生細胞をそのまま処理できる方法として、ジメチル硫酸(DMS)in vivo フットプリント法に着目し、これを次世代および第3世代シーケンシングと組み合わせたゲノムワイドin vivo フットプリント法の開発に挑戦する。併せて、各フットプリントがどのトランス作用因子によるものであるか、自動的に注釈を付けるシステムの開発にも取り組む。 具体的には、過去の個別研究およびDNaseIデジタルフットプリント法のデータなどを検討して、条件検討のためのモデル系を構築した。具体的には、α因子処理した酵母および対照酵母についてDMS処理を行なった後に、ピペリジンでメチル化部位を切断した上で、STE2およびSTE3のプロモータを対象にLM-PCRを行うことで、反応条件の検討を行い、条件の最適化を進めた。その結果、DMS処理によるメチル化起こっていることは確認できて、次世代シーケンシング鋳型作成へと進むことが可能になった。しかしながら、第3世代シーケンサによる検出を行うにはメチル化率が不十分であると思われるので、更に高率にメチル化が可能であるかどうかの検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想外に反応条件の設定に時間を要したために、新型シーケンサによる検証に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に設定した条件に基づき、第二世代シーケンサによる検出の準備を進める。それと同時に、第三世代シーケンサによる検出に適したレベルまでのメチル化を行える条件の検討を進めて、この方法のfeasibilityを明らかにする。後者については、メチル化の検出が可能であるかどうかを判断するために、リード深度が稼げるプラスミド等の小型の鋳型の利用も検討することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次世代シーケンサ用配列決定試薬および第3世代シーケンサ解析委託費に充てることにしたい。
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