2013 Fiscal Year Annual Research Report
トランスログ:配列相同性が高くない遺伝子の機能推定手法開発
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24651227
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
瀬々 潤 東京工業大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (40361539)
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Keywords | ネットワーク / 比較ゲノム / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
DNAシーケンサの安価,高速化により非モデル生物の遺伝子配列や発現量が明らかとなっている一方で,これらの遺伝子機能予測の進展は緩やかである.この原因として,BLASTを始めとする配列相同性検索プログラムを用い「最も近い配列を持った遺伝子の機能に近い」予測以外の予測がほとんど行われていない,という事が挙げられる.本研究では,配列相同性が薄くても機能の予測が可能となるように,種内の遺伝子間の関係をネットワーク構造を利用して表し,このネットワーク構造を比較することで,遺伝子の機能を予測する,つまり,ネットワーク上のトポロジが種間で一緒であれば,配列に対応が無くとも,遺伝子の持つ機能は予測可能だろうという考えのもとでの遺伝子機能予測手法を開発することで,新時代の遺伝子予測機能を法を開発することである. 本年度の研究では,昨年度までに開発した大域的なネットワークを比較する手法のANGIEをブラッシュアップし,遺伝子発現量の実データに適応することで,その性能を調査することである.まず平成24年度に行っていた実験の続きとして,ショウジョウバエの近縁6から得られたマイクロアレイデータに適用することで,分岐年代の近い近縁種では非常にネットワークが近く,ほぼ遺伝子の対応がとれていること,分岐年代の多少遠い種では,成長因子関連のネットワークが大きく異ることが示唆された.これは,比較したD. melanogasterとD.virillisの間では,成長速度が異なる事が知られており,それを反映した結果となっていた.このように,ネットワークの比較をすることで遺伝子全体機能の変化を得ることに成功した.ネットワーク構造と同時にANGIEが出力するクラスタ間を比較することで,機能に関連した遺伝子の新規機能を予測できる可能性が示唆された.
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Research Products
(1 results)