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2012 Fiscal Year Research-status Report

次世代シーケンスによるイチゴ病害罹病性遺伝子単離へのDNAマーカーの取得

Research Project

Project/Area Number 24651234
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

山本 幹博  岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60274015)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords国際情報交換
Research Abstract

本研究では栽培イチゴにおいてイチゴ黒斑病罹病性遺伝子Sあるいはその対立遺伝子である抵抗性遺伝子Rの単離へのDNAマーカーの作出とSTS化を次世代シーケンサーのデータを利用した大量の有用DNAマーカー作出を目的としている.
本年度は1. SおよびRそれぞれのDNAプールの準備,2. シーケンス用ライブラリの調製,3. 次世代シーケンサーによるシーケンスと得られた塩基配列のアラインメント,4. 解析データからの不要シーケンスの除去,5. SあるいはRいずれかのライブラリからのリードに偏った配列メンバーで構成されるクラスターの探索,つまり特異的AFLPマーカーの検出,6. プログラムの探索と作成,7. マーカー領域を特異的に増幅するPCRプライマーの設計と増幅確認(予備的検討)の順に実施した.
予備的に試用した解析プログラムの中で配列のクラスタリングプログラムであるCD-HIT-ESTによる結果が3. におけるアラインメントおよび4. における不要シーケンスの除去が予め必要ないことを示唆したため,PCRプライマー設計時に参照した.
56,150,211リードを98%相同性でクラスタリングを行い,すべてのリードがSかRかどちらかのライブラリだけに由来するものも含みクラスター内S/Rの比が10以上の440,297クラスターおよび0.1以下の445,003クラスターという予想以上に多数の偏ったクラスターを検出し,特異的AFLPマーカーの検出に成功した.
これら偏ったリードで構成されたクラスターについてクラスターの代表塩基配列と類似配列のアラインメントからSNPs等を見出し,ライブラリ特異的に増幅できるかどうかを予備的に検討したところ,複数でライブラリ特異的に増幅可能なPCRプライマーであり,課題達成につながることを示した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

研究計画については順序変更を行ったものの実施することができた順調な進捗と申請書において期待した以上に課題達成につながることを示唆する成果が得られたとの自己点検の結果に基づいて区分のように評価した.
本年度計画していた以下の各ステップを実施できた.1. SおよびRそれぞれのDNAプールの準備,2. シーケンス用ライブラリの調製,3. 次世代シーケンサーによるシーケンスと得られた塩基配列のアラインメント,4. 解析データからの不要シーケンスの除去,5. SあるいはRいずれかのライブラリからのリードに偏った配列メンバーで構成されるクラスターの探索,つまり特異的AFLPマーカーの検出,6. プログラムの探索と作成,7. マーカー領域を特異的に増幅するPCRプライマーの設計と増幅確認(予備的検討).
その結果,期待した成果として5. 特異的AFLPマーカーの検出に成功し,最も懸念していた6. 解析プログラムの探索と作成についてはCD-HIT-ESTが適していることを見出した.加えて,次年度の主たる目標であった7. マーカー領域を特異的に増幅するPCRプライマーの設計と増幅確認についても予備的検討ながら複数の特異的PCRプライマーの設計と増幅に成功した.
これらの成果を要旨としてまとめ,平成25年度日本植物病理学会大会において口頭発表を行い,審査を通過したため,まもなく学会会報に発表要旨として掲載される予定である.

Strategy for Future Research Activity

申請書においては今後(次年度)の研究の推進方策として,6. プログラムの探索あるいは作成,7. マーカー領域を特異的に増幅するPCRプライマーの設計と増幅確認,を本年度に引き続いて実施するとともに,8. クラスター内頻度を利用した罹病性遺伝子周辺に連鎖するマーカー群の地図作製,9. DNAマーカーの野生種イチゴFragaria vescaゲノムへのマッピングを予定していたが,本年度の進捗から6. についてはすでに十分な成果が得られたため,これについては優先順位を最下位とし,他の事項を以下のように進めることを計画している.
7. マーカー領域を特異的に増幅するPCRプライマーの設計と増幅確認 についてはすでに予備的な検討を始めているが,特に期間前半に注力し,PCRの反応条件や最適なDNAポリメラーゼの検討をあわせて検討しながら多数の特異的なPCRプライマーの設計と増幅実証に努める.
8. クラスター内頻度を利用した罹病性遺伝子周辺に連鎖するマーカー群の地図作製については7. でPCRプライマーの作製が可能であったクラスターに関してアノテーションの付加をあわせて後半から期間内に実施する.
9. DNAマーカーの野生種イチゴFragaria vescaゲノムへのマッピング については8. の実施と並行して実施し,次の課題と想定している遺伝子単離に向けた参考情報として整理を進める.
最終的には得られた成果を学会発表と学術雑誌投稿で公開を予定している.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当初配分のうちおよそ800千円が次年度繰越となった.その理由は,本解析においては先行研究例が見当たらず,また,解析に利用するソフトに関しても情報に乏しかったことに加えて,ライブラリ作製における不具合等の理由で期待される成果を得るためには複数回の作製・解析が必要なことを想定していたため,解析用コンピュータの購入に踏み切れず,好意による借用等によって進めたことによる.
本年度の進捗から,今後の解析にも解析用コンピュータとソフトが必須であるが,再度の借用は困難なためその整備に400千円充てることを計画している.
また,一方,期待以上にPCRプライマーが設計可能であることが見込まれるため,プライマー合成およびDNAポリメラーゼのPCR関係試薬に申請書の150千円ではまかないきれないことが明らかであるため追加で400千円の修正割り当てを計画している.
以上の修正と従前の申請をあわせて執行し,課題を達成することを計画している.

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] イチゴ黒斑病菌の宿主特異的毒素(AF毒素) 感受性の遺伝的背景 (3)次世代シーケンサーを利用したAFLP解析2013

    • Author(s)
      山本幹博・吉良 聡・牛島幸一郎
    • Organizer
      平成25年度日本植物病理学会大会
    • Place of Presentation
      岐阜大学
    • Year and Date
      20130327-20130329

URL: 

Published: 2014-07-24  

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