2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代シーケンスによるイチゴ病害罹病性遺伝子単離へのDNAマーカーの取得
Project/Area Number |
24651234
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 幹博 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (60274015)
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Keywords | 次世代シーケンス / DNAマーカー / イチゴ |
Research Abstract |
次世代シーケンスによる大量データを利用して,特にゲノム情報に乏しい生物における特定の有用遺伝子単離,課題では栽培種イチゴの黒斑病に対する罹病性/抵抗性の決定に関与する遺伝子の単離,に向けて連鎖するDNAマーカーの開発を行ってきた.前年度において,AFLPバルクタギング法に準じてシーケンス用ライブラリの調製と塩基配列取得を行い,引き続いて連鎖するDNA配列の選抜法を検討し,CD-HITプログラムによるクラスタリング手法を用いて罹病性イチゴ集団および抵抗性イチゴ集団それぞれにリード数が著しく偏った配列クラスターのフィルタリングし,偏ったリード数を示す3,679DNA配列のマーカーとして利用可能性を示した. 本年度はDNA配列のマーカーとして利用価値を検証するため,マーカー候補の配列クラスターを特異的に増幅可能と思われるPCRプライマーの設計と増幅による検証を行った.特異的プライマーの設計においては野生種イチゴのゲノム配列上へのマッピングによって他の配列クラスターとの1塩基多型も参考にした. 罹病性イチゴおよび抵抗性イチゴのシーケンスライブラリを用い,マーカー候補231のうち126が罹病性,抵抗性,あるいは双方に対して共優性的な増幅を示し,特に信頼性の高い52を含んで課題の目標であった特定遺伝子に連鎖するDNAマーカーの開発に成功した.さらに,これら配列のうち34は野生種イチゴにおける既知遺伝子と相同であったため,今後の遺伝子単離において重要な情報とした. なお,タグ配列の付加とタグ配列によるリードの仕分けが可能なため,個々の交配後代個体由来のリードを識別し,多数個体に共有される,より強く連鎖するリードをフィルタリングによって抽出し,PCRを行わずとも信頼性の高いマーカー作出が可能性であることを検証しつつ,ターゲット遺伝子単離に向けてさらに研究を進めている.
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