2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24651239
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 郁朗 東京大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40305496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淡川 孝義 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80609834)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | オカダ酸 / 生合成 / 遺伝子 |
Research Abstract |
オカダ酸合成渦鞭毛藻Prorocentenum hoffmanianumを、f/2 vitamin培地にて蛍光灯に当てながら培養した。培養開始2、3、4週間後にそれぞれ藻体を集めて、液体窒素で凍結後、乳鉢で破砕した。クロロホルム、CTAB、エタノール沈殿による精製の後にゲノムDNAを取得した。また、オカダ酸は葉緑体に蓄積するとの報告があるため、鞭毛藻の葉緑体をSIGMA社のchloroplast isolation kitを用いて分離し、それぞれのDNAをproteinase K、lysozymeを用いて抽出した。葉緑体は細胞のサイズに基づいた遠心分離によって藻体と分離されるため、その共生細菌も葉緑体図分に含まれる可能性が高い。AT-less PKSのketosynthase (KS) の保存アミノ酸を元に設計された縮重プライマーを用い、単離したDNAを鋳型として、PCRによるKS配列の増幅を試みた。その結果、藻体由来DNAより二種のKS配列(PhoffKS1、PhoffKS2)を、葉緑体―共生細菌由来DNAより一種のKS配列(PhoffKS3)を取得した。これらはいずれもP. hoffmanianumより単離された既知のKS配列と一致しない、新規遺伝子配列であった。オカダ酸合成酵素遺伝子由来のKSを絞り込むために、P. hoffmanianum藻体よりRNAを抽出し、RT-PCRを行った。その結果、PhoffKS1についてcDNAからの増幅がみられた。よって、PhoffKS1は転写されていることが確認され、ターゲットの遺伝子配列である可能性が高いと考えられた。また、β-alkylationに関わるHMG-CoA synthase遺伝子の増幅を期待して、縮重プライマーを用いたPCRを行ったが、こちらでは増幅が検出されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オカダ酸合成渦鞭毛藻Prorocentenum hoffmanianumより、3種のPKSの遺伝子情報の取得に成功し、そのうちの一つが転写されていることが確認できた。
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Strategy for Future Research Activity |
それぞれの遺伝子がネガティブコントロールであるProrocentenum micansに存在するか試験する。また、検出した遺伝子配列が翻訳されているか調べる。以上により、オカダ酸合成酵素遺伝子である可能性が高い遺伝子配列について、プローブを合成し、それを用いてDNAライブラリーを探索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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