2012 Fiscal Year Research-status Report
アクノロジン生産完全再構成系による単機能反復型生合成反応の網羅的分子機構解明
Project/Area Number |
24651245
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
市瀬 浩志 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (40282610)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 生合成 / 再構成 / ポリケタイド / 放線菌 |
Research Abstract |
本研究は、多様な生理活性物質の生産者として放線菌に注目し、代表的ポリケタイド二次代謝産物アクノロジン(ACT)を取り上げ、その生合成に必要な20段階の酵素反応を試験管内で完全再構成することを基盤とする。諸反応中には、単機能型縮合酵素による反復的炭素鎖構築反応、酵素反応中間体の支持タンパク質からの遊離機構および基本骨格修飾反応における酵素基質認識、単機能型酵素による多段階反応の制等が含まれる。本研究では、ACT生合成再構成系を材料として、酵素学的解析、各種機器分析を用いた酵素反応の精密解析、タンパクモデリング法を含む情報科学的解析を駆使した上記問題の網羅的解明を目的とする。本年度の研究計画として、ACT基本骨格形成反応(反復的炭素鎖構築反応)の再構成系の構築を設定し、以下の成果を得た。 ACTの基本骨格形成に必須のタンパク群、すなわちActtI-ORF1(ケト縮合酵素α)、ActII-ORF2(ケト縮合酵素β)、ActI-ORF3(アシルキャリアタンパク)、 ActIII(ケト還元酵素)、sfp (フォスホパンテテイニルトランスフェラーゼ)、fabD(アシルトランスフェラーゼ)の発現を放線菌および大腸菌の宿主を用いて実施し、組換精製タンパクとして調製した。これらのタンパクを用い、マロニルCoAを基質としたin vitroでの生合成反応の再構築を試みたところ、7段階のケト縮合反応を経て生成するオクタケタイド鎖の閉環生成物であるSEK4/SEK4bとともにオクタケタイド鎖の炭素9位還元後の閉環生成物であるmutactinの生成がHPLCおよびLC/MSで確認された。この結果は、ACT生合成に関わる炭素骨格形成反応に関わる単機能縮合酵素による反復的炭素鎖構築反応を再現したものであり、本年度の研究計画の一部を達成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象タンパクの発現条件の最適化に改善点が必要だが概ね目的を達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
対象タンパクの発現系最適化のため、発現宿主の培養条件の継続的なモニタリングを行い、効率的な条件決定を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
たんぱく発現宿主の培養条件の継続モニタリングにODモニター付バイオシェーカーの導入を検討したい。
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