2014 Fiscal Year Annual Research Report
生物活性化合物を発掘する超高感度ケミカルバイオセンシング技術の新規開発
Project/Area Number |
24651250
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
和田 章 独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 専任研究員 (90443051)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | バイオセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、疾患原因であるタンパク質に対して特異的に結合し、その生理機能を阻害する新たな化合物を探索するため、天然/合成化合物で構成した大規模なライブラリーが活用されている。特に、それら化合物を固定化したプレート/アレイを利用して、目的の生物活性化合物を探索するスクリーニング法は、ケミカルバイオロジー研究および医薬品候補の創出において威力を発揮している。その一方、希少性の高い極微量の化合物が固定化されていることから、標的タンパク質との微弱な相互作用を網羅的に検出することは困難であるため、それら相互作用を高感度に検出する新たな技術の開発が期待されている。そこで、当該年度も、試験管内で合成した標的タンパク質と蛍光分子提示型プローブによるハイブリッド複合体の形成を利用したケミカルバイオセンシング技術の開発に取り組んだ。特に、前年度、ペプチドタグを融合した各種タンパク質の試験管内合成が可能であること明らかにしたものの、それらの発現量が低いことが問題となった。そこで、試験管内翻訳に利用するmRNAの精製度・量などの最適化、翻訳の時間・温度などの条件を再検討することで、各種タンパク質の発現量の増加を試みた。さらに、標的タンパク質との融合部位の配列を改変することで、様々な分子量のタンパク質の発現も可能となった。そして、現在、標的タンパク質と蛍光分子提示型プローブによるハイブリッド複合体の形成の基礎を確立している。さらに、本研究課題の成果の一部は、シンポジウムなどにおいて発表することで、本技術の有用性と更なる可能性について議論することもできた。そして、これまでに得た知見を活かし、微量化合物-タンパク質相互作用の高感度検出の実現と特許化に向けて取り組んでいる。
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Research Products
(2 results)