2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体高分子を鋳型とした大環状リガンド創製と分子進化
Project/Area Number |
24651253
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大栗 博毅 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80311546)
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Keywords | 多様性指向有機合成 / 多官能性スキャフォールド / ユニット連結 / テンプレート合成 / 触媒的二量化 / 逐次環化 / FBDD / 天然物 |
Research Abstract |
生体高分子表面を鋳型として大環状骨格を構築するアプローチで、標的ドメインと相互作用する人工リガンドを創製する。生理的条件下での共有結合形成反応として、Native chemical ligation や Click反応が現在汎用されているが、本研究ではこれらとは異なる結合形成反応や機能性ユニット集積化法を開発した。 ペプチドとほぼ同等の生体親和性を持ち、複数の機能性ユニットの連結が可能なビスピロリジノインドリン型スキャフォールドを設計した。既存の合成法では、化学量論量以上のコバルト錯体を使用する必要があったが、本研究ではニッケル触媒を用いた二量化反応を開発した。金属触媒や配位子を最適化し、含水アミド系溶媒中でピロリジノインドリン骨格同士を高収率で二量化する新手法の開発に成功し、本年度詳報を公表した。更に、この多官能性のスキャフォールドを活用した大環状骨格の形成を検討している。 アズレノンに潜在する多彩な化学反応性を引き出しながら、複数のユニットを集積化するアプローチを開発している。アズレノンに鎖状/環状アゾ化合物を室温で順次作用させ、二種の機能性ユニットを5環性骨格に提示するワンポット反応を展開した。また、コバルト触媒による[6+2]型環化、光[2+2]環化、[3+2]双極子付加により、アズレノンに5種類の機能性ユニットを連結して6環性骨格を迅速に構築(<5工程)する手法を開発した。両骨格のX線結晶構造解析から、導入したフラグメントや官能基の空間配置を把握した。 天然物類似の骨格群に所望のフラグメントを連結する合成プロセスを基盤として、生体分子と特異性に相互作用するリード化合物の創製を展開中である。
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Research Products
(3 results)