2013 Fiscal Year Annual Research Report
含ケイ素高輝度蛍光剤の開発とこれによる蛍光応答型ゲノム高精度解析基盤技術の開発
Project/Area Number |
24651255
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
篠塚 和夫 群馬大学, 理工学研究院, 教授 (20206105)
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Keywords | 含ケイ素高輝度蛍光剤 / 蛍光核酸プローブ / シリル化ピレン |
Research Abstract |
本研究ではピレンを母核とし、これに置換可能な官能基を持つシリル基及び電子吸引性基を併せ持つ、新規な含ケイ素高輝度蛍光剤の開発、並びにこれを導入した機能性蛍光核酸プローブの開発を目的としている。 実施計画に基づいた研究により、以下の実績を得た。 1)当初計画した合成経路によるシリル基及び強力な電子吸引性基としてのシアノ基を併せ持つ新規ピレン誘導体の合成については、途中段階での副反応が予想よりも激しく、達成する事は出来なかった。しかしながら合成経路の再検討により、最終的に目的とする新規なピレン誘導体の合成に成功した。 2)上で得られた新規シリル化ピレン誘導体の光化学特性について解析したところ、予想通り吸収極大波長が未修飾ピレンに比べて20nm以上の大きな長波長シフトを示す事が明らかとなった。一方蛍光発光に付いては、発光波長が約16nmの長波長シフトを示すだけでなく、蛍光量子収率においては未修飾ピレンに対して約2.2倍にも増強されている事が判明した。 3)上記の成果に加え、当初計画に従って末端に一級アミノ基を持つ新規ジメチルシリル化ピレン、並びに末端にアジド基を持つ新規シリル化ピレンの合成に成功した。 4)末端に一級アミノ基を持つ新規ジメチルシリル化ピレン、並びに末端にアジド基を持つ新規シリル化ピレンについては、別途合成したC-5位に修飾可能な官能基を持つデオキシヌクレオシドと結合させることで、新規な蛍光修飾デオキシヌクレオシドの合成に成功した。末端にアジド基を持つ新規シリル化ピレンについては、クリック反応を応用した非ヌクレオシド性核酸スカフォールドとの結合に成功し、さらにこれをオリゴ核酸中の任意の位置に導入する手法を確立した。
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Research Products
(4 results)