2013 Fiscal Year Research-status Report
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24651266
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮下 英明 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (50323746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神川 龍馬 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (40627634)
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Keywords | 天狗の麦飯 / 微生物群集構造 / 生態変化 / 微生物保全 / 土壌微生物 |
Research Abstract |
平成24年度には既報の産地の現存状況調査を行ったのに対して,平成25年度は,「天狗の麦飯」の微生群集構造解析を中心におこなった。特筆すべき成果は,天狗の麦飯において,弾力性のある粒状塊を形成することに寄与していると考えられる細菌種の分類群をFISH法を用いて区別することに成功したこと,および,メタゲノム解析に着手し,これまでに行ってきたPCR-DGGE法ならびにクローンライブラリ法で得た群集構造解析結果との比較を開始したことである。 16S rRNA遺伝子のコピー数に基づく群集構造解析では、顕微鏡下で観察される細菌の個々の分類群を知ることはできないことから,CARD-FISH法を用いて個々の細菌を検出することを行った。その結果「天狗の麦飯」において厚い細胞外マトリックスを有し,弾力のある粒状微生物塊の形成に寄与しているバクテリアは、Gamma-proteobacteria及びAcidobacteriaであることが分かった。さらに,遺伝子コピー数に基づいて明らかにされた群集構造と、細胞の体積を基準とした群集構造が大きく異なることが明らかになった。また、この実験の過程で,厚い莢膜をもった細菌をFISH法で検出する際に,透過処理法として,マイクロウェーブが有効であることを明らかにした。 本年度,群集構造解析のあらたな試みとして,メタゲノム解析法を用いて解析を行った。その結果,これまでの方法では検出できていなかった細菌群の存在が明らかになった。培養に成功した細菌にはPCR-DGGE法やクローンライブラリ法で検出されていないものがありコンタミネーションの可能性が否定できなかったが,メタゲノム解析によってその細菌が群集中に存在していることも確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題の残されていた群集構造の解析法について,PCR-DGGE,クローンライブラリー法に加え,CARD-FISH法やメタゲノム解析法を用いることにより,群集構造の理解が飛躍的に深まっている。これによって,より詳細な産地間の微生物群集構造比較が可能になった。これらについては,当初計画以上に進展しているものと考えられる。 一方で,産地調査については,特筆すべき成果が得られていないが,昨年度に当初計画以上の進展をさらに発展させるための検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究により,新たに産地を確認したほか,これまでの我々の知見とは全く異なり,嫌気性細菌によって形成されている「天狗の麦飯」も存在することが明らかになっている。また,平成25年度には,微生物群集構造解析の方法として,CARD-FISH法やメタゲノム解析法を導入することが可能となった。そこで平成26年度は,1)産地環境,植生調査を継続するとともに,2)産地間群集構造の比較,3)微生物培養の試み等を通じ,「天狗の麦飯」と呼ばれているものの多様性と生成・消滅因子について考察する。
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Research Products
(1 results)