2014 Fiscal Year Annual Research Report
網羅的遺伝子解析による褐虫藻動態解明~「サンゴ-褐虫藻」共生系研究の新戦略提案~
Project/Area Number |
24651267
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
久保田 賢 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (00314980)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 造礁サンゴ / 褐虫藻 / クレード / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,造礁サンゴに共生する褐虫藻の存在割合を知るとともに,その手順化を図ることを目的としている。平成24年度は,単一の造礁サンゴ試料から2種類以上の褐虫藻の配列を検出できること,存在比が5%を超えるものが複数配列認められること,その一方で,非常に存在割合の低い褐虫藻配列が数10種類に上ることなどが明らかとなり,この方法の有用性が示されるとともに,適切な増幅箇所,試料調製法や解析方法などのさらなる検討が必要と思われた。また,2年目には,解析配列と公共データベースに登録された配列の詳細な分析を行ない,全クレードの既知配列をカバーする部位が見当たらないこと,PCRライブラリの調製法に工夫が必要であることを見出した。 最終年度である平成26年度は,時系列データを得るために必要なサンゴ試料を収集し,群体間および季節間の褐虫藻組成の際について検討した。平成24年度および平成25年度の予備実験の問題点を修正したことにより,各データ間のバラつきは小さくなったが,季節間差については,一定の傾向は認められなかった。 本研究の成果として,次世代シーケンサーを用いた褐虫藻の存在割合を明らかにする手順化は実現したものの,安定した時系列データを得るためにはサンゴ群体の特性をさらに詳細に分析し,群体内のバラつきの状況を把握した上で試料収集することが肝要と思われた。
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