2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24651274
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山崎 健 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (20158132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 和宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00273748)
岩佐 卓也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00346230)
和田 進 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (30116272)
浅野 慎一 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40202593)
澤 宗則 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40235453)
岡田 章宏 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70185429)
橋本 直人 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (80324896)
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Keywords | 越境的社会圏 |
Research Abstract |
平成24年度における集団的検討を踏まえ、平成25年度は東アジアにおける越境的社会圏の可能性と課題にかんする論文を執筆、発表した。代表的な成果は以下の通りである。 太田和宏「東南アジアにおけるアソシエーションと越境的デモクラシーの可能性」は、アセアン共同体の成立を2015年に控えた東南アジア地域における社会制度構築、民主主義の定着等について新しいアソシエーションの動向と展開を具体的に追うことによって検討した。これを通じて、NGO活動や社会運動の形成する国境を越えたネットワークが、地域の政治過程に「言説における闘争」の場を提供し、新しい規範の創出に貢献していることを明らかにした。 橋本直人「帝国主義のアポリアとその克服」は、フランクフルト学派の哲学者であるテオドール・アドル ノと、ポストコロニアル理論の代表的理論家であるエドワード・サイードとの間の思想的連続性を明らかにした。これを通じて、東アジアの越境的社会圏を構想する上で障害となる排他的ナショナリズムへの批判的考察を、より広い文脈から行なう可能性を提示した。 Yan Tong & Shinichi Asano ”Blood and country”は中国残留日本人孤児の国籍・戸籍とその変遷を素材として、血統主義的ナショナリズム、およびプライバタイゼーション(「私事化」)の相互補完的関係について考察したものである。これを通じて、ポスト・コロニアルの東アジアにおける歴史的社会変動(東西冷戦からグローバリゼーションへ)が、日本の国家と市民社会の固有の文脈を介して、残留孤児の永住帰国・肉親捜し・国籍認定に大きな障害をもたらし、それらを大幅に遅延させたことを明らかにした。 澤宗則「 都市農村格差と大都市近郊農村」ではインドにおいて、経済成長するにしたがい、都市と農村間の経済的格差が拡大されてきたメカニズムを、教育水準の点から明らかにした。
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Research Products
(8 results)