2013 Fiscal Year Research-status Report
病院における倫理サポートシステムの構築―医療組織倫理からのアプローチ―
Project/Area Number |
24652004
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
土師 俊子 (服部 俊子) 大阪市立大学, 看護学研究科, 准教授 (50609112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫本 直樹 大阪大学, コミュニケーションデザインセンター, 徳任講師 (20622533)
大北 全俊 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (70437325)
川島 弓枝 滋賀医科大学, 医学部, 薬剤師 (90422899)
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Keywords | 医療組織倫理 / 応用倫理学 / 倫理委員会 |
Research Abstract |
昨年度は病院の現状調査を実施する前のパイロット調査や、多分野の研究者との議論から、当初予定した調査・検討方法を再考する事態になった。しかし、その事態が、「組織」の哲学的/倫理学的な分析を深めることになったこともあって、今年度は、IRBやHECを包摂する病院内倫理サポートシステムを提案するために、病院の現状調査や文献調査、医療組織の哲学的/倫理学的分析をおおむね順調に進められた。具外的な成果を以下に示す。 ・HECやIRB等の「倫理委員会」を軸にした院内倫理サポートシステムの調査として、①病院の院内倫理委員会活動の参与観察、②委員会活動の経緯を、委員会メンバーと多分野研究者との対話を通して整理、②(昨年度に引き続き)日本や米国の院内倫理サポートシステム・医療組織倫理に関連する文献調査、④分担研究者がファシリテーターとして参加してきた病院の臨床倫理事例検討会活動の整理、を行った。 ・調査結果を分析し、実際の医療組織の倫理サポートシステムの「現状」を実証的に示した。その分析から、本研究は、倫理サポートシステムの手続きや構造を指し示すだけのものではなく、医療組織が自組織の状況に応じて医療組織という場をデザインをするための実質的なサポートプロセスをいかに示せるかが、あらたな課題であることが明確になった。 ・昨年度に作った医療組織の倫理を検討するためのネットワーク(多分野の研究者―経営学や法学、社会学など―や医療専門職者・非医療専門職者たちと)を、医療組織の倫理を学際的に検討するための研究会としてたちあげ、医療組織倫理の可能性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は病院調査と文献調査/分析を実施し、病院内倫理サポートシステムの「現状」を示し、医療組織というメソ次元の倫理を検討するための背景と、その背景の分析から課題が整理できた。 昨年度は、当初の予定より「やや遅れている」評価だったが、今年度は調査と分析を進めることができ、遅れを取り戻せた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の成果を論文にする。 さらに最終年度なので、今年度の調査や分析をさらに深め、病院内倫理サポートシステムのモデルについてまとめていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
最終年度として、これまでの調査や分析をさらに深め、病院内倫理サポートシステムについてまとめるため。 文献収集や調査分析、研究会開催、学会発表、等に使用する。
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