2012 Fiscal Year Research-status Report
生成音楽の体系的理解に向けた音を生み出す構造の分析
Project/Area Number |
24652029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Institute of Advanced Media Arts and Sciences |
Principal Investigator |
城 一裕 情報科学芸術大学院大学, メディア表現研究科, 講師 (80558122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 智太郎 東京芸術大学, 美術学部, 助手 (20572770)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換(オランダ、ドイツ) |
Research Abstract |
以下、計画に記述した研究項目にそって平成24年度の主な活動の概要を述べる。 1.生成音楽の歴史的調査として、電子音楽の研究組織であるSTEIMの他、生成音楽に関わる展示の調査をDocumenta13、 ICA、 ZKMで行い、施設訪問や実作品の鑑賞の他、関連人物へのインタビュー、文献、視聴覚資料の収集を行った(2012年9月)。2.古典的作品の再現として、ジョン・ケージ「失われた沈黙を求めて(プリペアド・トレイン)」の再演(2012年8月)、「虫の音楽」(2012年12月)、「鳴釜神事楽」の再現(2013年2月)を行った。3.シンポジウム・ワークショップとして、エオリアン・ハープ製作ワークショップを当該の楽器の研究者である杉山紘一郎氏を招いて、約10名の参加者を集めて実施した。4.音を生み出す構造の分析として、前述の調査、再現、ワークショップの中でも、特にケージの作品を中心に再演の過程を分析し、その構造的な特徴をまとめた他[金子、城、2013]、公開シンポジウムの場で、研究の趣旨および成果を一般に公開した[金子、2012]。平成25年度には、国際会議での成果発表に際した外国旅費を中心に、研究内容の議論のための国内旅費、研究者・作家の招聘費、その他資料・消耗品の購入費の支出を予定している。その他、装置やルールに関わる当事者へのインタビューを通じて、主観的な視点からの考察を行った[城、金子、2013]。5.独自の生成音楽作品につながる試みとして、パーソナル・ファブリケーションの手法を取り入れ、代表的な音響メディアの一つであるアナログ・レコードの新たな製作手法を検証し、実演[城、2012]、展示[城、2012, 2013]を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
前述の研究実績が示すよう、本研究では平成24年度に 1.生成音楽の歴史的調査、2.古典的作品の再現、3.シンポジウム・ワークショップの実施、4.音を生み出す構造の分析、5.実制作による検証、の5項目各々において、実践を行っている。その成果も既に一部は論文として掲載されている他、実演や展示、といった形で広く一般に対しても公開されている。これは当初の計画を上回る進捗状況であり、平成25年度以降さらなる発展が期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、引き続き前述の各研究項目に沿った実践を行う。初年度の成果をまとめ、国際会議などで発表する他、関連の研究者・作家を招聘したシンポジウムを実施し、分野における現在の動向を議論すると共にその文化的な意義を考察する。あわせて、実製作による検証を進め、展示や実演などの実践を通じて研究成果の一般への訴求を図る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度には、国際会議での成果発表に際した外国旅費を中心に、研究内容の議論のための国内旅費、研究者・作家の招聘費、その他資料・消耗品の購入費の支出を予定している。
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Research Products
(5 results)