2013 Fiscal Year Annual Research Report
古代東アジア音楽の検証可能な「再生」へ向けて ─解読から鳴り響く音楽への過程─
Project/Area Number |
24652041
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
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Keywords | 東洋音楽史 / 唐楽 / 古楽譜 / 音楽の復元 / 復元楽器 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
25年度は唐代伝来の音楽の合奏を中心に、古楽譜の解読の結果を舞台で鳴り響く音楽として再現する試みを、辺成雄博士記念第1回東洋音楽史研究国際シンポジウム「唐代音楽の研究と再現」(上野学園大学、26年3月6・7日)にて実施した。 本シンポジウムは、初日に研究代表者の公開講演を含め公開講演4件、2日目に研究発表7件、および研究代表者が構成・解説を担当したレクチャーコンサートが行われた。24年度に招聘が叶わなかった趙維平氏には記念講演を、呉国偉氏には研究発表を依頼し、その他中国人研究者による研究発表が2件あった。 「唐代伝来の音楽とその再現」と題する初日の研究代表者の公開講演では、レクチャーコンサートの内容について、取り上げた曲の再現へ至る研究方法および過程について論じた。レクチャーコンサートでは伶楽舎他14名の演奏者の協力を得て、次の曲を取り上げた。1.《宗明楽破》(五絃琵琶・横笛の二重奏、横笛・琵琶2面の三重奏、平安院政期を想定した復元試演)、2.《黄鐘調二手》(3種の琵琶古楽譜による琵琶三重奏)、3.《三台急》(平安院政期を想定した復元試演、唱歌を加えたバージョン、極楽声歌バージョン)、4.《西江月》(『敦煌琵琶譜』による歌曲)、5.《上元楽》(玄宗皇帝の時代を想定した復元試演)。《上元楽》には通常の唐楽合奏に五絃琵琶、箜篌、排簫、および今回初めて復元された揩鼓を加えた。当初の研究計画にほぼ沿った内容となった。 当日は映像・音源の記録を撮り、現在、レクチャーコンサート後の打合せと録音に向けて内容検討を行っている。録音スケジュールは現時点では未定だが、レクチャーコンサートの内容の再演が予定されており(27年5月24日、於浜松市楽器博物館)、その前後に機会があると見込んでいる。また、26年8月、奈良で開催される国際学会にて本研究に関する学会発表を行うことが確定している。
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