2013 Fiscal Year Research-status Report
末期浮世草子から初期読本にいたる「舌耕」の影響についての研究
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24652053
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Research Institution | Kyushu Women's University |
Principal Investigator |
樫澤 葉子 九州女子大学, 人間科学部, 准教授 (90227190)
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Keywords | 近世文学 / 江戸文学 / 浮世草子 / 読本 / 舌耕 |
Research Abstract |
本研究課題における平成25年度の研究実績については、以下の通りである。 1、本研究課題を実施するに当たっての基礎的作業として、平成24年度は、末期浮世草子から初期読本に至る、できるだけ作品を網羅した目録の作成を行った。ただし、作成した目録は、平成24年度「実施状況報告書」にも記載した如く、アナログの状態であり、これをデジタル化(データベース化)することが、平成25年度の課題であったが、下記「2」および「3」の研究作業に予想を超える時間を要したため行えなかった。 2、上記「1」の目録を利用し、末期浮世草子から初期読本に至る、該当する作品についての資料調査、書誌調査については、国立国会図書館、国文学研究資料館、京都大学附属図書館においては、平成25年度に計画した分についてほぼ目的を達成し、複写資料についてもおおむね収集できた。ただし、九州大学附属図書館等、平成25年度に資料調査を行えなかったところもあり、国立国会図書館、国文学研究資料館等に加えて、それらを実施し、最終的に整理しまとめることが、平成26年度の課題である。 3、上記「2」の資料調査および資料収集をした作品のうち、特に、平成24年度における清涼井蘇来および大雅舎其鳳(荻坊奥路)の著作に加え、平成25年度においては、永井堂亀友・半井金陵・増谷大梁・福隅軒蛙井・高古堂主人等の著作に関しては、諸本についての詳細な書誌調査を行い、ほぼ目的を達成したと言える。 4、上記「1」から「3」の基礎的作業、基礎的調査を踏まえた上で、収集した末期浮世草子や初期読本の作品を読み、素材や文体等に「舌耕」の影響を受けたと思われるものを選び出し、その内容や特徴を検討・考察するといった点については、本研究課題の当初の計画では、平成25年度から少しずつ始める予定であったが、上記「2」および「3」の研究作業に予想を超える時間を要したため行えなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記「研究実績の概要」でも述べたように、本研究課題を実施するに当たっての基礎的作業である、末期浮世草子から初期読本に至る、できるだけ作品を網羅した目録の作成については、作成した目録をアナログの状態からデジタル化することが平成25年度の課題であったが行えなかった。 また、前述の目録を利用し、末期浮世草子から初期読本に至る、該当する作品についての資料調査、書誌調査については、「研究実績の概要」でも述べたように、国立国会図書館、国文学研究資料館、京都大学附属図書館においては、平成25年度に計画した分についてほぼ目的を達成し、複写資料についてもおおむね収集できた。ただし、九州大学附属図書館等、平成25年度に資料調査を行えなかったところもあるため、それらを実施し、最終的に整理しまとめることが、平成26年度の課題である。 さらに、これも「研究実績の概要」でも述べたように、資料調査および資料収集をした作品のうち、特に、平成24年度における清涼井蘇来および大雅舎其鳳(荻坊奥路)の著作、平成25年度における永井堂亀友・半井金陵・増谷大梁・福隅軒蛙井・高古堂主人等の著作に関しては、諸本についての詳細な書誌調査も含めて順調に計画を遂行し、ほぼ目的を達成したと言える。 これらに加えて、これも「研究実績の概要」でも述べたように、基礎的作業、基礎的調査を踏まえた上で、収集した末期浮世草子や初期読本の作品を読み、素材や文体等に「舌耕」の影響を受けたと思われるものを選び出し、その内容や特徴を検討・考察するといった点については、本研究課題の当初の計画では、平成25年度から少しずつ始める予定であったが行えなかった。 以上、本研究課題における、平成25年度までの達成度については、ほぼ目的を達成したところもあれば、課題が残ったところもあり、総合的に評価すると、上記「区分」に記したように、やや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
1、末期浮世草子から初期読本に至る、該当する作品についての資料調査、書誌調査を、国立国会図書館、国文学研究資料館、京都大学附属図書館、九州大学附属図書館においては、平成24年度・平成25年度と同様に進めていく。また、平成26年度が最終年度であるため、これまで調査できなかった機関についても、同様に進めていきたい。その際、後印本や改題本の問題等、版本書誌学の方法を適切に踏まえて行う。 2、これも平成24年度・平成25年度と同様に、上記機関における資料収集について、必要な資料・文献を複写依頼する、という方法で進める。また、近年、こうした古典籍のインターネットによる公開が進んでいるため、直接、資料調査、書誌調査に行けない場合でも、それらを活用し、できる限りの複写資料の収集を行う。それらを最終的に整理しまとめることが、平成26年度の課題である。 3、上記「研究実績の概要」等でも述べたように、本研究課題を実施するに当たっての基礎的作業である、末期浮世草子から初期読本に至る、できるだけ作品を網羅した目録の作成については、作成した目録をアナログの状態からデジタル化(データベース化)することが、平成25年度の課題であったが行えなかった。そこで、目録のデジタル化が、平成26年度に残された課題となるが、本研究課題の遂行のためには、本欄の「1」「2」「4」をより優先することとする。 4、収集した末期浮世草子や初期読本の作品を読み、素材や文体等に「舌耕」の影響を受けたと思われるものを選び出し、それぞれの作品を比較検討し、その内容を考察する。末期浮世草子と初期読本の「舌耕調」は、どのように同じなのか、またどのように異なるのか。談義本や実録体小説とはどのように関わるのか、関わらないのか。以上のような問題について考察を進めていく。 5、上記によって得られた研究成果については、順次発表していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する予定の研究費が生じた状況、および理由については、以下の通りである。 1、平成25年度末(平成26年3月末)に、国文学研究資料館および国立国会図書館にて資料調査・資料収集を行ったが、そこで依頼した複写物については平成25年度内に仕上がらず、複写費の請求が次年度になってしまった。また、平成25年度に行った資料収集においては、結果として、全てマイクロフィルムからの複写ということになり、資料の撮影を依頼するということがなかった。さらに、前述したように、近年、古典籍のインターネットによる公開が進み、多くの機関で、マイクロフィルムからの複写すら、一部不要になりつつある。そのため、平成25年度は、研究当初に計画していたよりも、複写費がかからなかった。 2、研究当初に計画していた資料調査・資料収集において、九州大学附属図書館等、平成25年度に資料調査を行えなかったところもあったためである。 以上の状況を鑑み、次年度の研究費の使用については、以下のように計画している。 1、前述したように、末期浮世草子から初期読本に至る、該当する作品についての資料調査、書誌調査を、国立国会図書館、国文学研究資料館、京都大学附属図書館においては平成25年度と同様に、また、それに加えて、九州大学附属図書館等、必要に応じてその他の機関にも資料調査・書誌調査を行う予定であるので、平成25年度以上に、旅費および複写費が必要である。 2、平成26年度は最終年度であるため、これまでに蓄積してきた成果を整理し、まとめるため、収集した資料を整理するためのファイル、目録のデジタル化(データベース化)のためのソフトウェアおよびパーソナルコンピュータ、研究遂行に当たって必要な図書等、平成25年度以上に、物品費も必要である。
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Research Products
(1 results)