2014 Fiscal Year Annual Research Report
<文化地霊学>からの挑戦ー免疫・タブー・徴候/周縁の<マーキング作用>の解明
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24652075
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
木原 誠 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (00295031)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 免疫 / タブー / 周縁 / 無縁 / 徴候 / マーキング作用 / 煉獄 / しるしづけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、医学・精神病理学の三つの概念、免疫・タブー・徴候に共通する現象、境界/周縁で起るマー キング作用に着目し、これを地霊に宿る文化の深層記憶(自己と非自己を識別する文化免疫作用)による主体的 印づけ=各文化を区分する「タブー(原義:印づけ)」の痕跡と同時に徴候(「歴史の予兆としての死の記憶」 )と措定した上で、そのメカニズムを解明することにより、死(者)の詩学の視座から政治・社会学に偏重される今日の文化学を逆説・異化する新しい学の一モデルを示すことにある。対象地域は周縁のしるしづけ作用が今も活発に働き、比較精神史上重要な東西二地域―1 極西アイルランドの国土を二分するドニゴール/ロンドンデ リー州の国境地帯(煉獄巡礼地帯)、2 極東・東国の境界・鎌倉七口切通し一帯(「地獄巡礼地帯」)である。
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