2013 Fiscal Year Research-status Report
日本人海事従事者による外国語訛り英語聴き取り能力の検証
Project/Area Number |
24652094
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 洋子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (50313383)
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Keywords | 海事英語 / 国際語としての英語 / 英語の多様性 / 音声知覚 |
Research Abstract |
船舶運航に用いられる英語は「確実な伝達」「分かりやすさ」が極めて重要となるが、様々な母語話者が入り乱れて使用されるために、意思疎通の問題を引き起こすことも多い。国際海事機関が編纂した標準海事通信用語の使用においては、無線による確実な伝達を達成するために「ゆっくりはっきりと」発音することが推奨されているが、その効用はどの程度あるのだろうか? 24年度は、「ゆっくりはっきりとした発音」(Clear Speechと呼ぶ)が「普通のスピード」と比べて聞き手の理解度にどの程度影響するか(どの程度聞き取りやすくなるか)、様々な言語(英語、中国語、日本語)を母語とする話者の英語を日本語母語話者に聞かせる聴取実験を通して、多角的に調査した。 この訛りの豊かさという特徴に加え、海事英語のもう一つの特徴は、ノイズがある中で交信が行なわれることが多いということである。25年度は、24年度に作成した実験音声のうち、英語母語話者が発音した音声ファイルにホワイトノイズを加える加工を行い、「発話スピード/明瞭さ」の要因に加えて「ノイズの有無」の要因が聞き手側である日本人にとっての分かりやすさにどの程度の影響を与えるかについて調査した。 この他に、日本海域を航行する船舶の船員トップ3の一つである韓国語母語話者の英語発音の特徴および日本人海事従事者にとって訛っていると感じられる点について記述を行なった。(内田&髙木2013)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
聴取実験の被験者になりうる英語母語話者がなかなか見つからず、データ収集に手間取ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
データの収集はほぼ完了しているので、今後はデータ分析を進め、その結果をまとめて公表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
聴取実験で得られたデータ分析をした後、結果を公開予定であったが、聴取実験に参加する英語母語話者の募集に予想外の時間がかかったため結果の公表に至らず、そのための費用(学会旅行費・投稿費)を使う機会がなかった。 聴取実験で得られたデータ分析をした後、結果を公開予定である。発表を行なう学会への旅行費・投稿費として、次年度使用額を利用したいと考えている。
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