2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本人海事従事者による外国語訛り英語聴き取り能力の検証
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24652094
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 洋子 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (50313383)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 英語音声学 / 国際語としての英語 / 英語の多様性 / 音声知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
船舶運航に用いられる海事英語は「確実な伝達」「分かりやすさ」が極めて重要となるが、様々な母語話者が入り乱れて使用されるために、意志疎通の問題を引き起こすことも多い。国際海事機関が編纂した標準海事通信用語の使用においては、無線による確実な伝達を達成するために「ゆっくりとはっきりと」発音することが推奨されているが、その効用はどの程度あるのだろうか? まず、「ゆっくりとはっきりとした発音」(Clear Speech)が「普通のスピード」(Ordinary Speech)と比べて、聞き手の理解度にどの程度の影響を及ぼすか(どの程度聞き取りやすくなるか)を知るために、様々な言語(英語、中国語、日本語)を母語とする話者の英語を日本語母語話者に聞かせる聴取実験を通して、多角的に調査した。 次に、英語母語話者の話す英語に焦点を絞り、Clear Speech と Ordinary Speech の違いが聞き手の理解度に与える影響について検証したら。さらに、ノイズがある中で交信が行われることが多い海事英語通信の特性を鑑みて、ノイズ条件を加味した実験も行った。 英語母語話者の発話音声を日本語母語話者に聞かせたところ、「ゆっくりはっきりした発音」は、特にノイズ下の環境において、聞き手の理解度に寄与することが明らかとなった。
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