2012 Fiscal Year Research-status Report
現職専門日本語教員の成長を促すツールとしての評価基準の研究
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24652100
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金村 久美 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 講師 (20424955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 綾 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 講師 (70578103)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 日本語教育 / 教師研修 / 教師教育学 / 専門日本語教育 |
Research Abstract |
1.予備調査:日本法教育研究センターに勤務する教員(日本語・日本法教員を含む全員)に対し、次年度に行う調査に必要となる基礎的な情報を集めた。具体的には、1)教師教育学についての文献調査、2)教員の教育歴、3)教育スタイル、教師教育のニーズについてのアンケート調査、を実施した。 2.予備研修の実施:各国のセンターで勤務する経験の浅い教員を名古屋大学に招聘し、将来の研修プログラムのたたき台となる予備研修を行った。研修に先立ち、予備調査の結果を踏まえ、研修のニーズが高いと思われる分野を、(1)教師間の協力、(2)専門分野の背景およびプログラムの目的の理解、(3)クラス活動を到達目標と結びつけて一貫性を持った指導計画を立てるスキル、の3点に絞り、研修プログラムを構築した。研修の効果を測定するため、研修前後に、研修生を対象として、i.研修効果を研修生自身が評価する自己評価、ii.アンケート(研修前・後)、iii.グループインタビュー(研修後)、のデータを採取した。この他、iv.研修中の活動の記録(ビデオ・音声)も収録した。今後、v.研修終了後、各勤務地での業務に戻った後、研修で学んだことを振り返るアンケート及びインタビュー、も採取する予定である。 3.予備研修で採取したデータの分析: 2.で採取したデータを、主に次の観点から分析を行なっている。(1)それぞれの教員自身が意識する困難点、(2)指導的位置にある教員の評価とその教員の意識する点とのずれ、(3)教員自身の学習スキルの高さ。これらの点から、それぞれの教員の到達度、日本語教員の成長の過程のモデルと、それぞれの過程において課題とすべき項目を、たたき台として構築することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で、先行研究の調査、日本語教育機関における教員の研修のニーズ調査が遅れている。理由としては、1)研究プログラムの周知や教員研修を行うことについての理解に時間がかかっていること、2)教育機関の業務が忙しく、本研究課題に対して協力がなかなか得られないこと、3)教員研修についての先行研究が少なく、研究のモデルを構築するのが困難であること、などがある。
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Strategy for Future Research Activity |
1)文献研究に時間を割き、先行研究の成果を可能な限り利用できるようにする。 2)予備研修のデータ分析を急ぎ、今後の研修プログラム構築に早く利用できるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)予備研修のデータをまとめ、9月以降に学会発表を行う。 2)予備研修のデータ及びその分析を利用し、予備研修のプログラムを修正して、本年11月以降に第2回招聘研修を実施し、データを収集する。 3)第2回研修の成果を分析し、研修プログラムモデルをわかりやすい形で示し、学会発表を行う。
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