2014 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス下における日本語音声コミュニケーション・エラーの発生機構と社会的応用
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24652101
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 良子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (20347785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 絵理子 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (00403212)
松田 真希子 金沢大学, 留学生センター, 准教授 (10361932)
定延 利之 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (50235305)
榊原 健一 北海道医療大学, 心理科学部, 准教授 (80396168)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音声 / ストレス / 日本語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題においては、1)緊迫した状況における音声コミュニケーション・エラーの生成、および2)緊張状態におかれたときの母語・非母語音声の産出とエラー、について検討することを目的としている。最終年度は、ストレス下における外国人日本語学習者のコミュニケーション・エラーに関する発話実験の結果と、コミュニケーションストラテジーに関する検討結果を報告した。 緊張時の音声の音響分析の結果、緊張の少ない状況に比べ、フィラー、ポーズの多用、繰り返し等の修復、文法の逸脱、発音における母語干渉がより多くみられる傾向が見られた。話速は個人によってより緊張時に速くなる場合と遅くなる場合の両方が見られた。緊張の型の分類によれば、これらのパターンは、「中高型」、「冷静型」に分類されると考えられ、音響パラメータの継時的変異を調べると、声の高さ(F0)が特徴的に変化することが分かった。個人による差は大きいが、緊張時には、フィラーを避用し、そのかわりポーズを使用する話者が複数見られ、緊張時ではコミュニケーションストラテジーが異なる可能性を指摘した。 さらに、ストレス下における声帯や喉頭制御に関して観察し、どのように生理学的に観察できるかについて検討を行なってきた。前年度までの蓄積と今後の実験可能性をテーマに、日本音声学会第329回研究例会(2014年6月21日、於:神戸大学)において、シンポジウムを開催し、様々な音声の生理学的観察手法について報告し、新たな研究手法の可能性について議論を行なった。
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Research Products
(8 results)