2013 Fiscal Year Research-status Report
ディスレクシア学習者に対する教授法開発―教員養成における指針の策定と手引書の試作
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24652105
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
池田 伸子 立教大学, 異文化コミュニケーション学部, 教授 (30294987)
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Keywords | ディスレクシア / 日本語教育 / 教員養成 / 学習支援 / 教授法開発 |
Research Abstract |
今年度は平成24年度に引き続き、ディスレクシアを抱える日本語学習者についての事例収集、および、中国、フランス、イギリスにおけるディスレクシアを抱える学習者に対する支援状況の情報収集を行った。具体的には、イギリス、フランスに加えて、スロヴェニアの研究協力者に現地の情報を集めてまとめてもらうとともに、新たに中国の協力者を加えて、中国(主として上海地区)における学習困難児に対する認識の度合い、学習支援の状況についての情報収集を行った。また、今年度は、ディスレクシアを抱える学習者が日本語を学習する際に、どのような支援が有効であるかを探るため、様々な教授法、介入方法についての先行研究を分析するとともに、ITテクノロジー使用の可能性を探るため、Assisitive Technologyについての先行研究分析を行った。さらに、日本語教員養成課程で教えられている項目について調査を行うとともに、日本語教育の現場で実際に教えている教師がディスレクシアについてどの程度の認識を持っているのかを調査した。今年度については、日本国内の日本語学校で教えている教師を対象とした調査のみだったが、来年度は、イギリス、フランス、スロヴェニア、中国においても同様の調査を実施する予定である。さらに、今年度は、日本国内で教師に対して実施した意識調査から、日本語教員養成課程において、ディスレクシアに関する項目を取り上げる必要性が明らかになったことを受け、取り上げるべき項目、取り上げ方について整理し、ハンドブックの構成を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時に計画していた25年度に実施すべき項目3つ―①国内外での事例収集、実態調査、②教授法の開発、③教員養成課程で取り上げるべき教授項目の基礎となる事項の策定―について、おおむね達成できている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をふまえ、今年度は、実際の教材作成、教授法開発のための研究をすすめたい。また、各国で収集した事例、さらには、今年度に実施予定の各国の日本語教育に対する意識調査の結果をふまえ、より効果的な日本語教員養成課程用のハンドブックの作成を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度、海外調査に行くことができなかった場所(中国)があったため、旅費の使用ができなかった。 今年度は、中国を含め、国内でも積極的に成果発表を行い、また、ハンドブックの作成等を行う予定であるため、その中で計画的に使用していきたい。
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