2012 Fiscal Year Research-status Report
エージェントとの対話に基づく英語学習システムの開発
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24652111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 彰則 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70232428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 富 大阪工業大学, 工学部, 講師 (80405927)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 外国語教育システム / 音声対話システム / 音声認識 / マルチモーダル対話 / ロボティクス / 歩行動作 |
Research Abstract |
まず、コンピュータと人間が英語で対話しつつ、その中の文法誤りの検出ができるシステムを作成した。対話についてはQAデータベースを使った事例ベースの対話システムを採用し、英会話教材を基にデータベースを開発した。このとき、複数のデータベースを組み合わせてシステムの開発を容易にするため、入力発話がどのデータベースに属する発話なのか、またどのデータベースで処理すべきかわからない曖昧な発話なのかどうかを識別する手法を開発した。また、音響モデルは日本人の発話した英語音声から学習を行った。文法的に誤った文の認識のため、誤りルールによって文法誤りを含む分を生成し、そこからn-gramを学習する方法を利用した。本格的なシステム評価はこれからであるが、日本人被験者数名による対話実験を行っている。 次に、対話パートナーとなるロボットの製作を行った。このロボットは学習者とマルチモーダルな対話を行う必要があるため、レーザ測距計(LRF)を用いた人間の認識と人間の歩行への追従、Kinectを用いた人間の指さし動作の理解を実装した。歩行追従動作では、1台のLRFからの計測結果だけを使い、ヒューリスティックな手法によって安定した追従動作を行う方法を開発した。指さし動作理解では、Kinectによる計測結果から計算した指さし位置と実際の指さし位置との誤差を計測する実験を行った。さらに、ロボットの動作によって人間の発話タイミングを調整する手法を開発し、基礎的な実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、24年度に「音声対話部の製作」と「ARロボットの開発」の2点を行う予定であった。音声対話部はおおむね予定通り開発できており、実際の会話練習を行って評価ができるところまで開発を終えている。ロボットに関しては当初の予定と順番が異なり、25年度に行う予定であった実ロボット作成を前倒しで行っている。その代わりにARロボットの開発が遅れているので、25年度には実ロボットのさらなる作成と併せてARロボットの開発を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、昨年度不十分であったARロボットの作成と同時に、ロボットと音声対話システムを合わせて動作させる部分を集中的に行っていく予定である。 まず、会話タスクを決め、それに合った音声対話システムを作成する。今回のシステムはシステム内で閉じるだけでなく、外部の物体を参照しながら会話を行うのが特徴であるから、どのような環境で英会話練習を行うのかについての基礎的な検討も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は研究計画変更(24年度にARロボットを開発する予定であったものをは25年度に延期)によって生じたものであり、延期したARロボット開発に必要な経費として平成25年度請求額と併せて使用する予定である。 平成25年度の備品・消耗品についてはARロボットおよび実ロボット製作費がほとんどであり、ヘッドマウントディスプレイおよび現在作成済みのロボットを強化するための部品の購入のみになる。旅費として、国内学会での研究発表が6回、国際学会での発表が1回程度を使用する予定である。
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