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2012 Fiscal Year Research-status Report

国際結婚家族における文化伝承メカニズムに関する学際的研究:言語と宗教を中心に

Research Project

Project/Area Number 24652177
Research InstitutionKibi International University

Principal Investigator

新田 文輝  吉備国際大学, 社会科学部, 教授 (10268641)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 鈴木 一代  埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (40261218)
竹下 修子  愛知学院大学, 文学部, 教授 (60454360)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords国際結婚家族 / 宗教伝承 / 言語伝承 / カトリック教 / イスラーム教 / ヒンドウー教 / 国際児
Research Abstract

平成24年度は、各自が分担した関東、中部及び中国地方で独自の調査研究を行った。新田は、6組のフィリッピン人・日本人の国際結婚家族の聞き取り調査に加え、彼らが所属する教会でのミサ、その他のイベントにも参加し参与観察を実施した。フィリッピン女性は、ほとんどがカトリック教徒であるが、家庭におけるその重要性は様々で、日本人の夫を除いて母子が定期的に教会に行く家族がいれば、左程キリスト教にこだわらない家族もおり、現時点での一般化は難しい。言語伝承も同様で、家庭内ではほとんど日本語を主に話す家族から、英語に加えてタガログ語やヴィサヤン語など2、3カ国語を使う家族もいた。
分担者2名の内竹下は、主に名古屋近辺のムスリム・日本人の国際結婚家族の聞き取り調査を行った。インタビュー調査対象者は、外国人ムスリムを夫にもつ日本人妻と子どもたちで、合計約30ケース。以前とは異なり、近年では日本で子どもに、どのようにすればイスラームを伝えることができるのかという工夫を、結婚に際して改宗した日本人妻が行うようになった。彼女たちが、受け身で生活しているのではなく、主体的行為者として、ムスリムとして、そしてムスリムの母として生活をしている様子が明らかになった。
もう一人の鈴木は、関東地域に住むインドネシア人・日本人の国際結婚家族を10組ほど調査した。その結果、母親の言語伝承に対する考え方は、国際児の言語修得に関係があることが、部分的に認められた。この傾向は、鈴木がインドネシア国内の同様な家族を調査した際に見られたものと同じである。
調査研究初年度の現時点で言えることは、宗教に関してはイスラム教関連の国際家族では、他の家族に比べて宗教伝承に積極的で重要である。言語伝承については、英語が関係する日比家族において顕著であるようだ。ただし、調査家族数がまだ少ないため、一般化するのは困難である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

新田は、当初外国人妻の会(AFWJ: Association of Foreign Wives of Japanese)を通じて調査対象家族を募る予定であった。それは、過去にAFWJからアメリカ人女性ら多くの協力者を得た経験からであった。しかし今回は、会の渉外担当者を通じて申し込んだこともあり、反応は皆無であった。
そこで、最近別の件で知り合ったフィリッピン女性で日本人と結婚しているグループにアプローチしたところ、快諾を得た次第である。ただし、彼女たちの場合は、AFWJほどの大規模な組織ではなく、倉敷市および岡山市近辺に散在していることもあり、教会関連も通じてで知り合いの家族を中心に協力者を募りながら、調査を進めている。
鈴木と竹下の場合は、以前からそれぞれインドネシア人とトルコ人らが関係する家族の研究をして来たこともあり、調査協力者については、左程問題はない。

Strategy for Future Research Activity

今後は、調査協力家族を3人の研究者間で、出来る限り均等になるように努力する予定である。その後、3つのグループすなわちカトリック、ムスリム、及びヒンドウーの調査結果を比較検討し、共通性や差異性そしてそれぞれのグループに見られる特徴などを探る計画である。
8月には、インドネシアのジョグジャカルタで開催されるアジア社会心理学会で中間発表を兼ねたシンポジウム形式での発表を提案し、その結果を待っているところである。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

まず今年度に残額が生じた理由であるが、それは購入を予定していた質的研究支援ソフトMAXQDAを買わなかったからである。すでに別の個所で述べたように、調査協力家族を変更した関係で、調査データが少なく、そのソフトがまだ必要でなかったことによる。
次年度使用計画については、概ねすでに提出してある予算計画のとおりであるが、1件学会発表旅費に関して変更がある可能性が出て来た。それは上記ジョグジャカルタで開催されるアジア社会心理学会へのシンポジウム発表のプロポーザルが受理された場合、外国旅費になるということである。
その他の研究費使用計画については、予定どおりである。

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Published: 2014-07-24  

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