2013 Fiscal Year Annual Research Report
国際結婚家族における文化伝承メカニズムに関する学際的研究:言語と宗教を中心に
Project/Area Number |
24652177
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
新田 文輝 吉備国際大学, 社会科学部, 教授 (10268641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 一代 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (40261218)
竹下 修子 愛知学院大学, 文学部, 教授 (60454360)
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Keywords | 国際結婚家族 / 宗教伝承 / 言語伝承 / カトリック教 / イスラーム教 / ヒンドウー教 / 国際児 |
Research Abstract |
最終年度は、研究者3名が各々日比家族、日トルコ家族、日インドネシア家族の聞き取り調査および参与観察を継続し、データの整理・分析を行い、その結果の一部を国内の研究会とインドネシアでの国際学会で発表した。 調査結果について宗教伝承では、イスラム教、ヒンデュー教、キリスト教の順序で家庭内外での重要性に差異が見られた。これは、カトリック教徒がいる日比家族でその重要低いということではなく、相対的な問題である。日トルコ家族では、いかにして子どもたちをイスラム教徒に育てるかは、親や同胞たちにとって大きな問題である。フィリッピン母親の場合、日本の生活順応程度が高く、クリスマスや復活祭など年中行事を家庭内外で祝っているようなことが目立った。ヒンデュー教は両者の中間である。 言語継承では、多言語使用の国際家族にあっても日本語が共通的に第1言語であることが明らかになった。これを「言語の居住地決定性 Domiscile Determinant 」と呼ぶ。3グループ共通に親の母語(フィリッピン語・英語、トルコ語、インドネシア語・バリ語など)は国際児が幼少時に継承される傾向が高い。結果家庭内や祖国へ里帰りをした際に使用される。だが中学生になるころから、3グループ共通的に英語の重要性が表面化し、広い意味での日英両語バイリンガル児が多くみられた。 研究成果は、2013年8月インドネシアのジョグジャカルタで行われたThe 10th Biennial Conference of Asian Association of Social Psychologyと題する国際学会でシンポジウムとして発表した。シンポジウムの標題は"Transmissions of Language and Culture among International Families in Japan and Indonesia"である。
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