2013 Fiscal Year Annual Research Report
市民に分かりやすい民事関連法律用語の言換えに関する研究
Project/Area Number |
24653003
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
大河原 眞美 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40233051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RICHARD POWELL 日本大学, 経済学部, 教授 (30277371)
田中 牧郎 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90217076)
金光 寛之 高崎経済大学, 地域政策学部, 准教授 (90514258)
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Keywords | 法律用語 / 民法 / コーパス / 言換え |
Research Abstract |
本研究では、市民の司法アクセスの障害となっている難解な民事関連の法律用語についてわかりやすい解説を提案した。実務家へのアンケート調査(問題語記述調査)及び法律書籍と一般書籍等の語彙調査(コーパス調査)を行って、難解な法律用語を類型化して、わかりやすい言換えや説明を考案した。 アンケート調査では、実務家に依頼人や当事者とのコミュニケーションで困難が生じた法律用語を3語程度挙げてもらい、その用語についての対応を尋ねた。48名(司法書士31名、弁護士16名、裁判官1名)から回答が得られ、難解と回答された語は51語で、頻度順にリスト化した。 コーパス調査では、法律の入門書『日本法への招待〔第2版〕』からリスト化した民法用語234語について、国立国語研究所編『現代日本語書き言葉均衡コーパス』から用例をダウンロードした。用例の出典情報をもとに、法律分野の用例(法律語義)と非法律分野の用例(一般語義)とに分類し、法律語義について法律分野に占める率の高い順に98語をリスト化した。 アンケート調査で実務家が回答した難解な法律用語51語とコーパス調査から得られた法律語義98語をすりあわせて、法律用語の「わかりにくさ」について、「難解語義」と「誤解語義」の2つのタイプに分類した。「難解語義」は、「先取特権」のように用語自体に馴染みがないために難解である。「誤解語義」は、「悪意」や「故意」などのように用語が日常語と同じため語義が異なることに“気づかず”市民の誤解を招くために難解である。 本研究では、「難解語義」よりも「誤解語義」の方により問題があるとして、「誤解語義」について、具体的な用例や共起例や複合語例を示すことに重点を置いた語義の解説を行った。特に、「作為」「故意」「悪意」については、類義関係を整理する説明を試みて意味領域からも検討した。今後は、対象語をさらに拡大させていきたい。
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Research Products
(28 results)