2012 Fiscal Year Research-status Report
19世紀末から20世紀初頭にかけての国家形成の比較研究‐情報管理に注目して
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24653030
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
鬼丸 武士 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80402824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 晶人 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 講師 (40513156)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (90372549)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国家形成 / 情報管理 / 東南アジア / 植民地国家 / 国家変容 |
Research Abstract |
本年度の研究は(1)文献サーベイとその分析、(2)現地調査、(3)国内研究会の開催を通じて実施した。 (1)文献サーベイ:鬼丸が英領マラヤと米領フィリピン、岡本が蘭領東インド、工藤が仏領インドシナを対象に、それぞれの領域内での情報収集と監視のあり方についての文献サーベイを実施した。その結果、治安維持や衛生、身元確認それぞれについては、それなりの先行研究が存在するが、まだ十分とは言えないこと、さらに植民地間、宗主国との間で比較した研究はほぼ皆無であることが確認された。この成果は国内研究会で相互に報告し、研究参加者内で共有されている。 (2)現地調査:鬼丸がロンドンで、岡本がインドネシアで現地調査を実施した。鬼丸はイギリス国立公文書館で、英領マラヤの治安維持や衛生、情報収集について利用可能な一次資料についてのサーベイをおこなった。岡本はインドネシアで利用可能なオランダ植民地統治期の文献資料に関するサーベイを実施した。この二つの現地調査は、今後、研究を推進する上で必要不可欠ば基礎的な情報の収集と、利用可能な資料のマッピングを目的としたものであり、次年度も継続して行う予定である。 (3)国内研究会の開催:今年度の国内研究会は、平成24年12月と平成25年2月の2回、開催した。1回目の研究会では研究参加者が実施した文献サーベイの結果に関する報告と、情報の共有をおこなった。2回目の研究会では次年度の研究内容に関する議論と、本研究を発展させていく上で何が必要となるのかについて検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ、研究に関連する基礎文献サーベイはほぼ完了し、さらにイギリス、インドネシアについては利用可能な一次資料のマッピングにも着手しており、研究推進に関わる基礎作業は順調に進展している。今後はこの基礎データをもとに、本研究の目的である植民地国家建設と宗主国の国家形成を共時的な現象として描き出す視角を構築する作業へと集中する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は国内研究会を中心に実施する。植民地国家建設と宗主国の国家形成を共時的に分析する視角を確立するという本研究の目的を達成するために、関連する分野を研究している若手研究者を研究会に招聘し、彼らと議論を行う予定である。これに加えて、引き続き研究に関連する文献サーベイと利用可能な資料のマッピングも実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該研究費が生じた理由は、本年度の研究計画を実施する上で必要となる経費を使用した結果、研究が順調に推移したために、わずかな残額が残ったことによる。この研究費は次年度以降に請求する研究費と合わせて、本研究計画遂行のために使用する。
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Research Products
(6 results)