2013 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀末から20世紀初頭にかけての国家形成の比較研究‐情報管理に注目して
Project/Area Number |
24653030
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
鬼丸 武士 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80402824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 晶人 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 講師 (40513156)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 准教授 (90372549)
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Keywords | 国家形成 / 情報管理 / 東南アジア / 植民地国家 / 国家変容 / サーベイランス / 比較研究 |
Research Abstract |
本研究は東南アジア地域の植民地国家とその宗主国を対象に、この予防と情報収集、監視の組織化がどのように進行したのかを比較検討し、植民地国家建設と宗主国の国家形成を共時的な現象として描き出す視角を得ることを目的とした。 この目的を達成するために、平成25年度は(1)文献サーベイ、(2)現地調査、(3)研究会の開催を通じて研究を実施した。この内、最も力点を置いたのは研究会の開催である。研究会は2013年5月、6月、7月、8月、11月、2014年1月に開催した。この研究会では研究参加者が報告をおこなったほか、南アフリカ、東南アジア、中東、ヨーロッパを専門とする若手研究者を招き、知見の共有と議論をおこない、本研究の目的である分析視角の確立を目指した。文献サーベイでは、平成24年度から引き続き主に蘭領東インド、英領マラヤ、米領フィリピン、仏領インドシナ、仏領アルジェリア、そして宗主国であるオランダ、イギリス、フランス、アメリカの国家建設・形成について、治安秩序維持、公衆衛生、住民や土地の登録・登記、植民地法制の整備、エリートの形成などに焦点を当てながら先行研究の収集、検討をおこなった。現地調査は平成25年度はインドネシアで岡本がおこない、主に植民地期のエリートの分布に関するデータ収集を実施した。 主な研究成果としては、鬼丸が英領マラヤを中心とした治安秩序維持の成果を『上海「ヌーラン事件」の闇:戦間期アジアにおける地下活動のネットワークとイギリス政治情報警察』(書籍工房早山)として出版したほか、岡本、工藤も雑誌論文や学会報告等をおこない、成果を公表した。
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Research Products
(7 results)