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2012 Fiscal Year Research-status Report

欧州安保協力機構と欧州審議会の再編成・拡大プロセスをめぐる萌芽的研究

Research Project

Project/Area Number 24653038
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

東野 篤子  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60405488)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsヨーロッパ国際政治
Research Abstract

当該研究初年度にあたる今年度に関しては、主に以下の3点の研究を実施することに集中した。
1.欧州安全保障協力機構(OSCE)もしくはその前身の欧州安全保障協力会議(CSCE)ならびに欧州審議会(CoE)に関する代表的二次文献を収集し、資料の読み込みに集中した。この際、これらの諸機構を支える中核的規範と言説を抽出することを最大の目的とした。
2.当該研究は、私がこれまで実施してきた欧州連合(EU)および北大西洋条約機構(NATO)の拡大(とくに、冷戦後の中・東欧諸国を対象としたいわゆる「東方拡大」)と、CSCE/OSCEおよびCoEとの拡大が、どのように関連付けられてきたのかを重層的に考察することに最大の特徴がある。このため本年度に関しては、EUとNATOの拡大や、それと関連したテーマ(たとえば、EUによる民主化や「ヨーロッパ化」推進、EUやNATOによる対外支援活動など)に関する文献も積極的に収集、検証した。
3.当該研究に用いる分析枠組み・アプローチは、コンストラクティヴィズムおよび言説分析である。このため本年度に関しては、これらの分析枠組みの理論的発展状況についても検討した。その結果、これらの分析枠組みに関しては、一般的な国際関係論・国際政治学の世界においてはこの数年間で目覚ましい発展を遂げているものの、本研究対象にはこの分析枠組みが十分に活用されているとは言い難いことが益々明らかとなった。より正確には、これらの枠組は本研究が対象とするヨーロッパ諸機構内部の規範や言説の検討には積極的に用いられているものの、これらの規範や言説がどのようにしてその他の諸機構にも共有された(あるいはされていないのか)、そしてその結果、冷戦後のヨーロッパの国際秩序再編成にこれらの規範や言説がどのように意識的・無意識的に用いられたのかに関しては、まだ十分に研究が進んでいないことが浮き彫りとなった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究採択と同時に妊娠が判明し、11月に産前休業に入った関係で、当該研究をいったん中断した。中断前も妊娠による体調不良があった期間があったため、今年度に予定していた「二次文献整理の完了」は道半ばにして終った。この遅れに関しては、職場復帰後(研究課題再開後)に取り戻していきたい。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度に研究を再開した際には、中断期間中に増えているであろう二次文献を再度収集し、読み込むと同時に、具体的な論文の執筆に取り掛かることにしたい。とりわけ、冷戦終結直前の時期から冷戦終結直後(1988-1993年)までの時期に関し、EU・NATO・CoEの諸機構や既加盟国間、そしてまたすでに東西陣営双方の諸国を内包していたCSCEにおいて生じ、代表的な地位を占めるに至っていた規範や言説とはなんであったのかを特定したうえで、これらが冷戦後のヨーロッパ国際秩序の再編成にどのような影響を与えたのかを、CSCE/OSCEおよびCoEをあくまで中心としつつ論じたい。さらに、平成26年度に関しては、平成24年度においても資料収集のため訪れたロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの図書館を再訪することに加え、英国王立国際問題研究所所蔵の資料や、フランスのストラスブールにあるCoE資料も収集することを予定している。学会報告に関しては、米国EU学会(EUSA)および英国ヨーロッパ政治学会(UACES)を予定している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度途中で、産前産後および育児休業に入ったため、収支状況報告書記載の次年度使用額が生じた。この額に関しては、平成26年度に研究再開後、使用予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] EUのノーベル平和賞受賞を考える2013

    • Author(s)
      東野篤子
    • Journal Title

      Hiroshima Research News

      Volume: 第15巻3号 Pages: 4-5

  • [Book] コンストラクティヴィズムの国際関係論(うち、「対外支援」の章を単独で執筆)2013

    • Author(s)
      大矢根聡 編 (分担 東野篤子)
    • Total Pages
      101~124
    • Publisher
      有斐閣
  • [Remarks] 広島平和研究所

    • URL

      http://www.hiroshima-cu.ac.jp/modules/peace_j/content0176.html

URL: 

Published: 2014-07-24  

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