2013 Fiscal Year Research-status Report
状態空間モデルによる家計行動規範の定量化とイベント・スタディによる要因分析
Project/Area Number |
24653049
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
畑農 鋭矢 明治大学, 商学部, 教授 (00303040)
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Keywords | 状態空間モデル / ディープ・パラメター / 時変推定 / イベント・スタディ |
Research Abstract |
ディープ・パラメターの時変推定に用いるデータ・セットは既存統計を活用したが、地域別統計については電子データ(家計調査、全国消費実態調査、全国物価統計調査など)の購入を行った。状態空間モデルの推定には初期値の与え方が重要となるが、この点についてもいくつかの代替的なパターンを試しており、推定結果の頑健性は高いと考えられる。 このように時変推定した消費関数のパラメターの変化について説明要因となり得るイベントを探索した。また、歴史的イベントを表すダミー変数セットの更新を行った。この作業は中途であり、次年度以降に継続する必要がある。このようにして得られたディープ・パラメターの時系列的変化に対して、イベント・スタディを適用しているが、まだ説明力は十分とは言えない。 イベント・スタディにおける説明力の向上を期して、歴史的イベントの拡充、状態空間モデルの推定精度の向上などは重要な課題である。技術的な改善点やデータセットの更新については概ね計画が練られており、近日中に計画を達成できるものと予想される。 生まれ年、年齢、性、地域といった属性別の推定を行うことは次の課題となる。属性別のイベント・スタディも進行中である。行動規範の決定要因(イベント)について、属性による異質性が明らかとなれば、家計行動に関わる将来予測、政策効果の分析に限らず、マーケティング分野や投票行動分析など隣接他分野への応用も可能となるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
家計の消費・貯蓄行動についてモデルを特定化し、状態空間モデルを適用してディープ・パラメターの経時的変化を明らかにした。この推定によって、一般には安定的と考えられているディープ・パラメターが経時的に変動する可能性を示した。 家計行動に関係があると思われる歴史的イベント(例:オイルショック、バブル崩壊など)について整理し、ダミー変数化されたデータ・セットを作成した。 推定されたディープ・パラメターの変化と歴史的イベントデータを突き合わせ、イベント・スタディによって検討し、その時間的変動要因を明らかにする段階にも達した。残る課題は説明力の向上である。
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Strategy for Future Research Activity |
イベント・データを拡充し、モデルの説明力向上を企図する。データのアップデートに対して、モデルの説明力が頑健か否かも検討課題である。 学会発表、論文発表についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた計量分析ソフトの購入が遅れ、次年度に延期したためである。 計量分析ソフトの購入を予定している。
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