2012 Fiscal Year Research-status Report
食の安全と貿易自由化の政策デザインへの計量経済分析の応用
Project/Area Number |
24653059
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大槻 恒裕 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (40397633)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 国際経済学 |
Research Abstract |
平成24年度においては研究の目的及び実施計画に沿って、1、消費者の製品基準に対する支払意思額(WTP)の推定方法の先行研究サーベイ及び手法の吟味。2、規制変数を含む需要システムモデルのサーベイと新手法の開発。3、農薬基準、動物医薬品基準のグラビティモデル分析を行った。4、貿易円滑化のグラビティモデル分析及び制度設計のためのシミュレーション分析を行った。1の手法については先行研究サーベイの結果及びデータの性質を鑑みて表明選好法としてのコンジョイント分析が最適であると考えている。5、さらに、当初計画外の新たな研究として、4のベトナムでの技術的貿易措置やその他の品質基準に対する対応の仕方や技術進歩への外資の影響などに対する計量分析プロジェクトを立ち上げ、ベトナム統計局から過去11年間の企業サーベイデータを購入し、データの整理・集計を進めた。データは従業員10名以上の全ての企業から採取されたものであるため、ベトナムの産業全体の生産活動や技術進歩を観察でき、またサプライチェーンに着眼し輸出向けのサプライチェーンほど海外の技術基準や国際基準への準拠や研究開発活動が盛んかどうか、また、FDIの導入がさかんかどうかなど分析することができると思われる。 また、24年5月から8月にかけて米国ワシントンの世界銀行の開発リサーチ部門で在外研究を行い、そこで、上記研究における専門家の貴重な情報やアドバイスを得ることができたため、手法やテーマ設定の面で改善の手がかりを得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の概要1~5の進展については以下のとおりである。 1はデータの整理・集計を完了した。2は分析方法を改善し後は論文として仕上げの段階にある。3はWorld EconomyのSpecial Editionへの刊行が決定された。4はSouth Asian Journal of Global Business Researchに刊行が決定された。5はデータのディスクリプションの英語版が完成した。データが膨大なためデータの整理がまだ進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記研究実績の概要1~5の今後の研究の推進方策については、以下のとおりである。 1については分析及び論文の初稿の完成を目指す。2は論文を完成し学術誌に投稿する。 5はデータの整理を早急に完了し、記述統計を作成、その後データ解析を始める。年度内にワーキングペーパーでの完成を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アメリカ農業応用経済学会(開催地は未定)にて研究成果の報告を行うための旅費として使用。 国内の学会で研究成果の報告を行うための旅費として使用。 研究成果をまとめた論文の英文校正料および学術誌への論文投稿料として使用。
|