2014 Fiscal Year Research-status Report
食の安全と貿易自由化の政策デザインへの計量経済分析の応用
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24653059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大槻 恒裕 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (40397633)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
家禽類の伝染病、家畜のBSEなどに対する禁輸措置、残留農薬・医薬品の基準値など技術的貿易障壁の貿易・各国経済への影響は大きい一方で、食品安全規制は消費者の食の安全確保に枢要であるため、貿易自由化とのバランスを考慮した政策デザインが必要である。本研究では規制による主要な貿易国の生産者・消費者の損益を定量化する手法を考案し政策評価及び提言を行った。 主に、1.食品安全意識アンケート調査の実施と分析、2.食品安全基準データによる多国間分析、3.ベトナム・マレーシア企業データによる技術的貿易措置の企業行動に与える影響及び国際サプライチェーンが企業行動に与える影響の分析、4.16途上国の企業データを用いた技術的貿易措置の企業行動への影響の分析、5.規制がベトナム企業の参入退出に与える影響の分析、6.技術的貿易措置が世界貿易に与える影響の実証分析のサーベイ、7.食品安全規制が貿易や企業行動に与える分析のサーベイ、8.日本の鶏肉輸入需要に対する食品安全規制の効果の分析を行った。 1については食品安全に対する支払意思額の推定を行った。2の成果は世銀WPやFood Policyに掲載された。3の成果はアジア経済研究所DPに計2本、環境科学会誌に1本掲載され、国内学会、国際研究会で発表を行った。4の成果はAsia Pacific Journal of Accounting & Economicsに掲載された。5はOSIPP DPに掲載された。6はFood Safety, Market Organization, Trade and Development、7はEncyclopedia of Agricultural and Food Ethicsに掲載され、8についてはOSIPP DPに掲載され国内研究会で報告した。その他の関連分野の論文も計4本国際査読雑誌に掲載され国際学会でも発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究の進展については以下の通りである。 平成24~26年度の期間中に上記研究の成果が計6本の国際査読雑誌、1本の国内学術誌、計6本のディスカッションペーパー、2本のブックチャプターに掲載され、計2回の国際学会・国際研究会で発表、計1回の国内学会、計3回の国内研究会で発表された。これにより、本研究における手法の開発、ケーススタディーによる政策評価・提言、研究成果の発表が概ね目標通り達成されたことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年3月でほぼ予定通りの研究が完成したが、食品安全意識調査データによる消費者の支払意思額推定の分析は完成に至らなかった。 今後は、平成26年度初旬に行ったアンケート調査の一部フォーローアップやデータの再クリーニング、他の分析手法の導入と現行の手法との比較などを行い、平成27年8月には分析の完成、12月にはディスカッションペーパーとしての完成、及び研究会での報告、さらに、平成28年2月には国際査読雑誌への投稿を行い予定の研究を完成する。
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Causes of Carryover |
食品安全意識アンケート調査データによる消費者の支払意思額推定の分析が、平成26年度に学生の研究補助アルバイトの勤務時間数が十分に確保できなかったため、平成27年度に延期することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年4~6月アンケート調査の一部フォローアップやデータの再クリーニングのため学生の研究補助アルバイトを2人雇用する。12月の研究報告のため東京への国内出張を1回行う。
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Research Products
(5 results)