2012 Fiscal Year Research-status Report
熱帯圏における日本人社会形成についての経済史的研究
Project/Area Number |
24653078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
籠谷 直人 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (70185734)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ネットワーク / 華僑・華人 / インドネシア / 台湾 / バタヴィア / 公案簿 / 熱帯 |
Research Abstract |
平成24年度に予定していた「堤林数衛関係資料」の目録の作成は、中央研究院の台湾史研究所の鍾淑敏氏とともに行いほぼ完成した。これは、1909年から1928年までのジャワにおける日本人社会の経済活動をうかがえる一級の史料である。 そして、新たに植民地期台湾の財界の中心的人物であった三好徳三郎の残した史料群の「三好徳三郎関係資料」を発見した。これらの史料に関しては鍾淑敏氏(中央研究院)と協力して、目録作成とデジタル化を行うことになった。 旧オランダ領東インドのバタヴィアの華僑・華人の残した「公案簿」の研究会を開催し、当時の華僑・華人社会の実像を検討することになった。 上記の資料調査・整理作業と並行して、2012年7月に南アフリカ共和国のステレンボッシュ大学にて開催された第16回世界経済史学会において外国人研究者を1名招へいし、植民地期のアジアにおける商人についての発表を行なった。 さらに、2013年3月にはインドネシア大学より2名招へいし、アジア植民地都市史にかんする最近の研究について意見交換を行い、次年度の2013年4月に「Jakarta’s Past: Space, Ethnicity and Urban Development」という国際ワークショップを開催する予定である。 平成24年度は、当研究課題を多角的に調査・検討するために資料収集に重きをおきつつ、経済面としての熱帯圏とアジア植民地都市史としての熱帯圏という概念を、台湾・インドネシアの研究者や国内研究者と連携して議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の当初の目的であった「堤林数衛文書」については目録の草稿が完成しており、さらに7月の国際会議にて成果の一部を発表することができた。 次年度の計画には入っていなかったがジャカルタ(バタヴィア)の都市史についての 国際ワークショップの2013年4月に開催することになった。(そこではインドネシア大学から3名、アモイ大学から1名、ライデン大学から1名の外国人研究者を招へいする。)
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、前年度からの整理中の史料の整理を続け、その成果を発表する機会を設ける。2013年4月3日に「Jakarta’s Past: Space, Ethnicity and Urban Development」という国際ワークショップ開催、さらに台湾で整理している資料に関する 成果報告をおこなう予定である。 平成26年度においては、収集した資料に関して考察を加えて報告書の作成を行うことと予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度から引き続いて、史料収集のための物品費として40万円、 資料調査・招へい費用として旅費として40万円、資料整理費用として10万を計画している。
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Research Products
(3 results)