2012 Fiscal Year Research-status Report
業務とサービス価値の類型化に基づく効果的な国際会議運営に関する研究
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24653079
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Research Institution | Advanced Institute of Industrial Technology |
Principal Investigator |
松尾 徳朗 産業技術大学院大学, 産業技術研究科, 教授 (80433142)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コンベンション / 経営学 / 経営管理 / MICE / 国際会議 / サービス |
Research Abstract |
国際会議に関わる経営において、主として業務とサービスの関連を調査し、類型化した。具体的に、国際会議主催者と参加者に対する業務とサービスに関するフィールドワークとして、応募者が開催してきた国際会議の業務内容、フローおよび国際会議の効果と、参加者に対するアンケートにより、規模、国内・国外を含めた場所、予算、アクセス性、会議場、宿泊施設、ケータリングおよび開催時期を含めた定性的評価を実施した。国内で開催される国際会議の主催者と、実際に会議場にて参加者にアンケートならびにインタビュー形式で業務とサービスに関して調査を行い、類型化のためのデータを収集した。それぞれの国際会議の価値集合として、様々な立場の協力者に可能な限りインタビューを行った。収集したデータから、業務価値類型化および業務評価手法の開発と効果的な国際会議運営の事業計画手法の開発を行い、また、コンベンションにおいて重要とされる経済波及効果について、簡素な評価式を開発した。それぞれの立場での効用、国際会議運営向けの業務別および業務フローに基づくサービスの価値を計算する理論を提案した。(1)不可欠な業務(サービス)、(2)イベントの品質が高まる業務(サービス)、(3)必要に応じて提供されるサービス、および(4)費用対効果が少ないものの提供されることで便益を受ける者が存在するサービス、の4つの特徴に分類し、国際会議を構成している業務とサービスを部品化し、仕分けを行った。これらの成果は国内の学会の大会および研究会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際会議を評価するための解析用ソフトに関して制作を行わなかったものの、ソフトウェアの主要機能はスプレッドシートに作成したフォームと計算式にて代用した。一方で、国際会議の業務とサービスの特徴の分類化(部品化)とプランニングに関する特徴抽出は、予定以上の進展があり、一定の評価が得られると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
前半は、業務価値類型化および業務評価手法の開発と効果的な国際会議運営の事業計画手法の開発を引き続き実施する。また、フィールドワークも、7~9月を中心に実施する。業務価値類型化と業務評価手法の開発は、業務内容に対するサービスの満足度を計算可能とする計算式を提案し、経験的に修正を加えて事業計画に利用できる形にする。具体的には、効果的な国際会議運営の事業計画手法は、業務内容に対するサービスの満足度、フローごとの業務の価値について、サービス享受者ごとに重要度を明確にするためにポイント形式で総合点を計算できる計算式を開発する。後半は、会議主催者を支援する業務計画シートの開発と有効性の評価を実施する。具体的には、計画する事業を事前評価することで、会議における運営方式をシミュレート可能となる計画書を含む表計算シートを作成する。表計算シートには、会議情報などを初期値として入力しておくことで、可能性のある業務およびそのフローとサービスの種類が提示され、それぞれの業務の実施予定の有無を主催者が入力する。それにより、サービス享受者の効用がシミュレートされる。会議主催者は会議準備中や実施中でも、リアルタイムに業務実施の実績を入力でき、事業の計画の変更に対する影響や結果に関してシミュレーションの結果を確認することが可能となる。ここで、開発したシートをこの研究フェーズの後半で、実際に国際会議実施予定、あるいは実施中である主催者や参加者に対して使用することで、本研究のプロダクトに関する有効性を評価し、必要に応じて改良を加える。また、スプレッドシートベースからソフトウェアベースに移転することにより、ユーザビリティのたかいシステムとなるよう開発を試みる。ここまでの研究について、観光学関連の国際会議で講演を行い、国際論文誌に論文を投稿する。また、MICE 関連の会合等においても成果を公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の最終年度となるため、研究をまとめることに関して研究費の使用を計画する。特に、サービスと業務評価に関わるシステムの開発のための計算装置、フィールドワークに関わる旅費、消耗品購入、および英語論文校閲に関わる使途を予定している。
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Research Products
(5 results)