2012 Fiscal Year Research-status Report
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24653093
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Okayama Shoka University |
Principal Investigator |
川合 一央 岡山商科大学, 経営学部, 講師 (80330538)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 技術的知識 / 研究開発 / 技術開発 |
Research Abstract |
本年度は、戦後日本企業のなかで科学に基礎をおく産業企業として、機能性素材化学系企業における技術的知識の成果とその生成過程について実証研究を進めた。そのさい、その担い手となった研究者・技術者と分類される人々の活動内容やキャリアについては、彼らが企業組織に属する以前の時期を含めて調査した。その結果としてえられた知見は以下のとおりである。 第一に、研究開発部門の担当者が到達した技術的知識の水準を市場成果の観点から確認すると、本研究が対象とした企業は、1970年代半ばに製品技術上のブレイクスルーを実現した後、1980年代半ば頃に国際競争力を有するに至った。その後、同社により提唱された製品技術上の指標が、市場競争をつうじて産業内の研究開発における焦点となるなかで、同社は常に技術的優位を維持した。こうした1980年代以降に技術開発競争の焦点となった製品技術については、1970年代初頭から開発の取り組みが開始されていた。つまり比較的長期の技術蓄積に基づいて技術開発競争が展開されていた。 第二に、上記の技術開発の担い手としての研究者・技術者について、彼らの多くは大学院修士課程あるいは博士課程修了後に企業組織に所属し、経営管理職能に携わり始めるまでに、研究開発・技術開発の現場に約20年~30年間在籍していた。彼らによる研究開発上の成果は、特許登録され、また研究者コミュニティとしての学会にて発表されていた。ただし、こうした技術開発競争あるいは市場競争における最先端の技術的知識が、特許や学会発表といった形で公開されることはあっても、公開された技術的知識の実現の仕方に関わる知識や製品への転写の仕方にかかわる知識等は公開されることはなかったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究申請時に調査への協力を承諾していだいていたインフォーマント予定者のうち一人(機械工業系企業所属)が本研究開始後に人事異動となった。このため当該人物へのインタビュー調査が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
機械工業系企業に所属する研究者・技術者へのインタビュー調査について、①本研究申請時にインフォーマント予定者だった人物に本年度以降は調査協力が可能かどうか改めて確認し、②少なくとも本年度も難しいことが予想されるとの回答であれば、別の人物を推薦してもらうことを含めて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究申請時にインタビュー調査への協力を承諾していだいていたインフォーマント予定者(機械工業系企業所属)が、本研究開始後に人事異動となり、当該人物へのアクセスが困難となった。このため、本調査のために予算計上していた旅費および人件費・謝金(インタビュー調査における音声記録おこし費用)分に影響が生じ、次年度使用額が0とならなかった。 2013年度以降、機械工業系企業所属の研究者・技術者に対する調査については、「今後の推進方策」に記したように、代替人物を含めて検討していく。また、公刊された書籍・論文などの資料を可能な限り多く閲覧・購入することにより、インタビュー調査の効率化と「厚い」記述化を実現させる。
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