2013 Fiscal Year Research-status Report
戦略的マーケティング・ミックス構築のための新効果測定システムの開発
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24653102
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
小笠原 宏 流通科学大学, 商学部, 教授 (10258163)
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Keywords | 市場実態調査 / 消費者行動 / 東南アジア |
Research Abstract |
東南アジアの発展中の主要市場の一つで、活況を提するタイのバンコックおよび周辺開発および未開発の市場実態調査に今年度は実施した。タイは日本とも非常に関係が深まり、日中、日韓関係などの複雑化と並行して注目度および将来性が急速に高まっている。現実の生活に根ざした市内市場、郊外市場、伝統市場、路上露天市場(いちば)から、近代的モール、商業とテーマパーク融合施設のような、先進流通市場までがまさに混在する現場である。また、とりわけ食料品という生活材の分野での、外食事業などの、日本との類似性と異質性を備えた業態が、屋台文化はじめ重要な位置を消費活動などにおいても占めている実態が、実際に現場を視察し、現地住民および研究者とのインタビューなどを通じて明確に認識できた。発展、未発展とか、いった程度の違いでなく、進化、退化と読んだ方がよい、多様な変容形態ともよぶべき状況が、市場の様々なところに見受けられるようで、背後にある事業体および公的主体の、政策ならび戦略を伺い知るだけでなく、将来性に関する分析が、必要であると強く感じられた。日、米、欧とも違う共同体意識や住民性(消費者性向)をどのようにとらえその変容の動向を現実に視察体験することの重要性を再認識することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東南アジア市場に関しては50%以上。ただし、その後のタイの政情不安、海外情勢の不安定化もあるので、海外動向の調査、把握が円滑にいかない部分もあったため。政治と経済は建前とは違い、非常に大きな影響がでる。たとえば先行き不安による資本市場の金利変動や株価変動が現実に起こり、投資行動や、消費活動に大きく影響がでるからである。結果的に海外実態調査が1度しかできなかったが、全く研究者にとって初の実体験ができた、東南アジア市場調査ができたことは、現地のインフラ状況の確認ができたということからも大きな収穫であったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
欧米先進市場、日本の国内市場、東南アジアでのマーケティングミックスの違いと成果の付け合わせに対する分析と解析。比較分析と戦略分析を通じて、有効性や妥当性の計測手法を考え、試行してみる。 再度の市場実態調査、消費者動向調査をアジア周辺地域について実施を検討予定。並行して欧米豪の主要先進市場にも調査の目を向けてみる必要があると感じている。比較対象としての、それらの地域に関する実態動向の把握のアップデイトの必要を感じている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
東南アジア市場での現地調査などが、日中韓国間の政治情勢の微妙な変化(悪化)により円滑な現地調査などに支障が生じたこと。タイなどの政情不安の兆しおよび現実化もあり、円滑な市場調査の実施調整に影響がでた。(訪問予定先の都合による変更および再調整など)。 タイを拠点にした、より広範囲の東南アジア諸国の市場調査および、比較対象としての日本国内(地方など)および先進市場(欧米豪などのマーケティング成熟および先進国)の市場実態動向調査を実施したい。
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