2014 Fiscal Year Annual Research Report
医療観光における中国の潜在ニーズの発掘とそのインプリケーション
Project/Area Number |
24653103
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
菅 万希子 帝塚山大学, 経営学部, 准教授 (10612989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 圭 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (30555636)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 医療観光 / 東洋医療経営 / 消費者ニーズ / 中国観光客 / ウェルネスツーリズム / 湯治 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の成果】研究目的は、1. 日本の医療機関以外も対象とした医療観光の学際的体系化と医療経営論への波及、2. 主なターゲットの中国富裕層潜在ニーズの発掘、3. 中国の潜在ニーズに対応する国内の医療観光資源調査と医療観光へのインプリケーションの方法、の3つである。今回の研究の成果として、中国の医療機関以外を対象とした医療観光の資源へのニーズが確認された。東洋医療研究者及び東洋医療者と学際的に研究できたことは大きな成果である。また、総括として行った医者への定量調査では、医師会の慎重論が指摘されているが、健診や自費治療への取り組み意向を確認した。特に観光者の急病に対する体制整備は必要と考えられている。 【具体的な内容】東洋医療者の医療観光資源意向は、定量調査で非常に高く、東洋医療に対する中国のニーズもマッサージを中心に高かった。Willing to Pay は概ね5000円以上で、GIでは、中国の高価さを良いとする価値観のため、東洋医療の経営イノベーションの機会となる可能性がある。取り組みに対しては、行政や各種団体の支援が必要とされていることも明らかになった。 【意義・重要性】医療観光の定義は、cost, quality, accessが充足される医療を求めた海外への渡航である。しかし、日本が進めようとしている医療観光は主には健診であり、重粒子治療などの最先端医療も散見され、体系化されているとはいえない。ここでは、湯治や漢方や東洋医学など、日本で伝統的に用いられているが、海外への認知が低いものを含めた医療観光の可能性を示唆した。結果、東洋医療など、経営的に新しい領域への取り組み意欲のある領域のニーズの高さを明らかにした。まあ、東洋医療のみならず、西洋医療のニーズの確認し、医療経営学への波及が期待される。今後は、医療観光の体系化と、東洋医療経営および西洋医療経営への波及とその影響の研究を深め、医療政策や観光政策への提言まですすめたい。
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