2012 Fiscal Year Research-status Report
知のイノベーションと会計理論・制度の変革に関する萌芽研究
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24653108
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
古賀 智敏 同志社大学, 商学部, 教授 (70153509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河崎 照行 甲南大学, 社会科学研究科, 教授 (10122227)
島永 和幸 神戸学院大学, 経営学部, 准教授 (90362821)
姚 俊 立命館大学, 経営学部, 助教 (00610932)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | イノベーション / 知的資産 / パフォーマンス / 企業価値 / ガバナンス / IT / R&D |
Research Abstract |
本研究は、イノベーションがビジネス・モデルの変革を通じて、企業会計のあり方にいかなる影響をもたらすかを理論的かつ実証的に研究を試みようとするものである。本研究では、イノベーション投資が企業のヒト、モノ、カネ、ワザ、チエの変革や進歩を通して企業成長にいかに貢献するかを解明する。このような企業のイノベーションと企業成長との関係分析を踏まえた会計理論・制度の解明は、わが国ではほとんど試みられておらず、極めて重要性が高く意義深いものである。 知のイノベーションの会計制度の理論的解明を図ることが、会計の理論および制度全般にわたる体系的解明において不可欠であり、また知のイノベーションにかかる研究を制度に向けて進展させ、提言を行うにあたり決定的に重要な課題をなす。この研究課題に応えるためには、諸外国の理論・制度・法律等の比較論的研究が肝要であり、平成24年度においては、かかる意図をもって主要諸外国および日本を対象として、知のイノベーションに関する先行理論研究と制度の具体的詳細を明らかにした。 また、平成25年度に実施予定の実態調査・実証研究に備えて、研究代表者は香港やオーストラリアにおいて本研究領域の著名な研究者と意見交換を行い、さらに各国の実態をつぶさに観察することによって実態調査の骨子の作成に努めた。併せて、国内においても海外研究者を招聘して学会やセミナー等で議論の場を設けることで活発な意見交換を行った。かかる研究活動を通じて、海外の第一線で活躍する研究者や専門家と活発な討議がなされ、本研究の根底をなす理論フレームワーク構築に多様で有益な視点が提供されたとともに、研究課題を適切に解明するための本格的な実証研究モデルの構築が促進された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は企業の持続的発展ならびに持続的イノベーションを研究基盤に据えて、経済・会計・経営の相互諸関係を企業価値の視点から横断的に解明することにある。この目的達成の根幹をなす理論的フレームワークの構築に必要となる先行理論研究の渉猟ならびに具体的課題の洗い出しが終わっていることと、諸外国の研究者との積極的交流から今後の実態調査の実施準備が順調に進捗しているため、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度における先行理論研究の整理に基づき企業の持続的なイノベーションに資する経済価値の測定にかかる理論的フレームワークの構築を図るとともに、実態調査・実証研究により構築した理論の妥当性の保証を行うことを試みる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
知のイノベーションの源泉となるガバナンスやITを専門とする研究者から意見を聴取するなかで、これらと経済価値の測定の関係性の解明においては事前の緻密かつ入念な理論フレームワークの構築が極めて重要であるとの示唆を受け、かかる研究に適切なエフォートを割り当て、かつ拠出すべき費用を確保している。
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