2015 Fiscal Year Annual Research Report
国際学と教育学の融合に基づいた多文化共生教育推進のためのアクション・リサーチ
Project/Area Number |
24653113
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
田巻 松雄 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (40179883)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 敏 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10199870)
スエヨシ アナ 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (10431694)
森田 香緒里 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (20334021)
丸山 剛史 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (40365549)
若林 秀樹 宇都宮大学, 国際学部, 准教授 (50601407)
重田 康博 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (60330958)
上原 秀一 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (70515965)
陣内 雄次 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (70312858)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 国際理解教育 / 多文化共生教育 / 総合的な学習の時間 / 外国人児童生徒教育 / 国際学と教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は中学校2校で、外国にルーツのある学生を活用した授業を実施した。生徒からは、異文化理解に高い関心が寄せられ、学校現場での国際理解教育の重要性を改めて感じた。 今年度は前年授業を実施した1校、河内郡上三川中学校の3年生を対象に、総合的な学習の時間の調べ学習(9時間構成)に関わり、中学校における実態をさらに把握しようと試みた。 まず、第1・2時間目全ての生徒対象に、「移民と難民」に焦点を当てた導入講義を実施した。生徒は昨年度、ブラジルにルーツのある学生から、ブラジルや日系移民について情報提供されており、その記憶を生かし視野を広げる目的もあった。折しも、メディアで地中海を渡る難民の問題がクローズアップされていることもあり、多くは食い入るように耳を傾けた。第3・4時間目は、生徒個人が調べるテーマを決め、作業計画を立てる時間だった。ジャンルに関する限定は課されていなかったが、導入講義の印象も手伝い、当初約半数の生徒が、何らかの国際的テーマに絞り込もうと希望していた。 最終的に、テーマを国際関連にした生徒は全体の3割程度だった。これは、国際に関心を持っても、何をどう調べたら良いかわからないなどの理由で、地元地域や環境問題など、比較的分かりやすいテーマに変更する生徒が多かったためだが、昨年からの授業を通し、身の回りのあらゆることが世界とつながっている、という意識は生徒間に根付き始めており、テーマが直接的に国際関係になる必要はないと感じていた。 最終的な発表段階まで合計5時間入り込んで感じたことは、教員の研究力不足であり、それが個人研究の成果に大きく影響していることである。総合的な学習の時間そのものに対する目標意識に、地域や学校間で大きな隔たりがあるのではないかと思えた。教員はその養成段階から、広い視野を持つことや、創造的な授業を実践するための訓練が必要ではないだろうか。
|